昨今、国や地方公共団体の厳しい財政状況は広く国民に共有されており、財政の透明性を高め、国民・住民に対する説明責任をより適切に果たすとともに、財政の効率化・適正化を図ることが求められています。
地方公共団体では、官庁会計(現金主義会計による予算・決算制度)を補完するものとして発生主義による財務書類が作成され、より比較可能性が高く、活用されやすい開示を実現すべく検討がすすめられています。
一方、地方公共団体は、一般的な行政活動の他にも地域住民の生活や地域の発展に不可欠なサービスを提供する様々な事業活動を行っています。こうした事業を行うために地方公共団体が経営する企業を「地方公営企業」と呼び、下水道事業、上水道事業、病院事業、介護サービス事業、電気(卸売)、交通事業、ガス事業等多岐にわたります。地方公営企業では既に企業会計基準とほぼ同様の会計基準が適用されていますが、作成した財務諸表のマネジメントへの活用方法や情報開示の在り方について検討が進められています。
日本公認会計士協会は会計専門家として、財政の透明性、適正性向上に関する施策について、関係各所との情報交換を通じて制度の研究・提言等を行うことで、今後の制度の改善及び実務の発展に貢献していきたいと考えています。
【研究報告】
公会計委員会研究報告第22号「地方公共団体の包括外部監査制度の現状について」(2018年5月15日)
⇒導入から20年を迎える包括外部監査制度に当たり、制度導入の効果及び課題について研究した報告です。
※地方公共団体の包括外部監査に関する監査実施状況(2016年度-2018年度)について(2020年1月20日)
⇒本文書は上記公会計委員会研究報告22号に掲載した2013年度から2015年度までの3年分のデータに
続くもので、2016年度から2018年度の監査実施状況です。公会計委員会研究報告第23号「地方公営企業の会計の論点と方向性」(2019年5月23日)
⇒地方公営企業における財務情報のマネジメントへの活用や財務情報の開示の在り方等に関する研究報告です。公会計委員会研究報告第24号「地方公会計の論点と方向性」(2019年7月18日)
⇒これまでの地方公共団体の会計制度を振り返るとともに、活用に当たっての実務及び制度上の課題と対応策に
ついて取りまとめた研究報告です。公会計委員会研究報告第25号「地方公共団体の内部統制制度及び監査委員監査の論点と方向性」(2020年2月20日)
⇒地方自治法改正に伴う地方公共団体における内部統制制度の導入・実施や、監査委員監査等の
充実・強化に関し、制度上・実務上の課題と対応策について取りまとめた研究報告です。公会計委員会研究報告第26号「地方公共団体の外部監査に関するガイドライン及びQ&A」(2020年2月20日)
⇒地方公共団体の外部監査を行う会員の業務の参考に資するために留意点等を取りまとめた研究報告です。
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