地方自治体・地方公営企業等の財政の透明性、適正性向上に向けて

 昨今、国や地方公共団体の厳しい財政状況は広く国民に共有されており、財政の透明性を高め、国民・住民に対する説明責任をより適切に果たすとともに、財政の効率化・適正化を図ることが求められています。
 地方公共団体では、官庁会計(現金主義会計による予算・決算制度)を補完するものとして発生主義による財務書類が作成され、より比較可能性が高く、活用されやすい開示を実現すべく検討がすすめられています。
 一方、地方公共団体は、一般的な行政活動の他にも地域住民の生活や地域の発展に不可欠なサービスを提供する様々な事業活動を行っています。こうした事業を行うために地方公共団体が経営する企業を「地方公営企業」と呼び、下水道事業、上水道事業、病院事業、介護サービス事業、電気(卸売)、交通事業、ガス事業等多岐にわたります。地方公営企業では既に企業会計基準とほぼ同様の会計基準が適用されていますが、作成した財務諸表のマネジメントへの活用方法や情報開示の在り方について検討が進められています。
 日本公認会計士協会は会計専門家として、財政の透明性、適正性向上に関する施策について、関係各所との情報交換を通じて制度の研究・提言等を行うことで、今後の制度の改善及び実務の発展に貢献していきたいと考えています。


【研究報告】

 
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