非営利組織会計検討プロジェクト

当協会では、非営利組織が置かれている環境を踏まえて、非営利組織の共通した会計基準が設定されること必要であると考えており、基準策定の参考となるモデル会計基準(案)の開発を進めています。
本ページでは、当協会の非営利組織会計検討プロジェクトにおけるモデル会計基準(案)の検討状況についてお知らせします。

新着情報

お知らせ

2018年11月14日 日本公認会計士協会

非営利組織におけるモデル会計基準(案)の開発に関する情報を更新しました

1.非営利組織におけるモデル会計基準(案)の開発

当協会では、非営利組織が置かれている環境を踏まえて、非営利組織の共通化された会計基準が設定されることが必要であると考えており、基準策定の参考となるモデル会計基準(案)の開発を進めています。
当協会では、2013年に非営利法人委員会研究報告第25号「非営利組織の会計枠組み構築に向けて」で、非営利組織の会計枠組みを提唱しており、その後も継続して非営利組織会計について、その概念面の整理のみならず、収益の認識固定資産の減損等の主要な個別論点についての検討も進めてきています。
今後も、引き続き、連結会計(グループ情報)や小規模法人の会計などの個別論点を検討していく予定ですが、上述のような必要性を踏まえて、これまでの検討結果を基礎に、モデル会計基準(案)の開発をしていく予定です。

<モデル会計基準(案)のイメージ>
モデル会計基準(案)は、法人格別の会計基準の違いや共通点を示し、各会計基準を尊重しつつ整合性を高め、バランスを取るためのモデルを示すことを目的とするものです。
具体的には、非営利組織の財務報告の枠組みを概念フレームワーク及び財務報告基準(仮称)で構成されたモデルを示すための位置付けであり、当該モデル会計基準(案)を示すことで、例えば、法人格別の会計基準の改正の際に参照されるものとなること、またその参照プロセスを通じて、各会計基準間の整合性を高めることを目的としているものです。このため、現行の法人格別の会計基準に優先して、強制力を持つような性質のものではなく、非営利組織における会計の考え方の参考となるものと考えています。

2.非営利組織会計検討プロジェクトについて

1.背景

近年、多様な社会的課題への対応、社会保障の持続可能性、政府の財政健全化等の観点から、非営利セクターの活躍の場は広がり、社会的な期待も高まっています。一方、我が国では、国際的にみて非営利セクターへの従事割合等の規模が小さく、財源面の脆弱性、専門的な人材確保の難しさなどの様々な課題も指摘されています。今後、非営利組織が更に活躍していく上で、自立したガバナンスと経営を実現するとともに、その経営力を高めていくことが求められています。
非営利組織が、資源提供者や地域社会といったステークホルダーに対して、その経営状態や活動状況を報告し、説明責任を果たすことは、自立したガバナンスと経営の根幹です。我が国においても、多くの非営利組織に一定の情報開示が課せられていますが、ステークホルダーにとって情報の入手しやすさに課題があります。さらに、公益法人、医療法人、社会福祉法人、学校法人、特定非営利活動法人(NPO法人)といった法人形態ごとに会計基準や作成する財務諸表、その他の開示書類に大きな差異が存在し、一般の情報利用者による横断的な理解は困難な状況にあります。
こうした状況の中、非営利組織への民間から資源提供しやすい環境を整えるとともに、法人間の連携が求められる社会的要請に応えていく観点から、法人形態を越え、ステークホルダーのニーズに応え得る共通的な会計の枠組みが必要です。かかる認識の下、当協会では、非営利組織の共通的な会計の枠組み整備に向けて検討を開始しました。
検討に当たっては、非営利組織における財務報告の利用者と情報ニーズから財務報告目的を整理した上で、非営利組織の組織・事業特性や法人形態を越えて活動領域が多岐にわたっている点に留意し、諸外国における非営利組織の会計についても参考にしています。

2.本プロジェクトの目的

民間非営利組織について、幅広いステークホルダーの情報ニーズに応え得る、分かりやすく共通的な会計の枠組み整備に向けた基盤を構築することを目的としています。

3.当協会内における検討体制

当協会は、非営利組織会計のフレームワーク及び基準検討の基礎として、我が国における非営利会計及び基準設定の在り方について検討を進めるために、その主な論点を非営利組織会計検討会(プロジェクトチーム)※を設置して検討し非営利組織会計検討会による報告「非営利組織の財務報告の在り方に関する論点整理」として取りまとめています。そのうち特に重要な論点について、非営利法人委員会(非営利会計検討専門委員会)で実務上の対応も考慮して更に検討を進め、その結果を研究報告として取りまとめています。研究報告は、非営利組織会計検討会においてレビューを実施しています。

  • 非営利組織会計検討会(プロジェクトチーム)には、会員のほか、外部有識者4名が委員として参画しています。

3.非営利組織会計検討プロジェクトの全体像

2013年7月2日に非営利法人委員会研究報告第25号「非営利組織の会計枠組み構築に向けて」公表後、有識者へのヒアリング調査を実施し、研究報告第25号及びヒアリング調査の結果を踏まえて非営利組織会計検討会による報告「非営利組織の財務報告の在り方に関する論点整理」を取りまとめました。なお、本論点整理で取り上げた論点のうち、非営利組織会計基準の開発に向けて特に重要と考えられる論点に関する研究報告の取りまとめを行いつつモデル会計基準(案)についても具体的な検討に入っています。

4.公表物

2013年7月2日
非営利法人委員会研究報告第25号「非営利組織の会計枠組み構築に向けて」
我が国の非営利組織が社会からの期待に応えていく上で、その財政的基盤の強化と自立的経営の確立が不可欠との認識の下、民間からの資源提供を強化し、自立した経営を促すための基盤として、法人形態を越え、幅広いステークホルダーのニーズに応え得る共通的な会計枠組みを構築する必要性を提起しています。
また、我が国において、法人形態ごとに会計基準や作成する財務書類が異なり、一般の情報利用者による横断的な理解は困難な状況、ウェブサイト等を利用した開示を行う組織は少なく、法制度上求められる備置きにとどまる組織が多い現状を指摘しています。
その上で、諸外国における非営利組織会計に関する制度調査を実施し、我が国における非営利組織会計の在り方、共通的な枠組み構築に向けたアプローチと体制を提案しています。
2014年7月2日
非営利法人委員会研究資料第6号「非営利法人委員会研究報告第25号「非営利組織の会計枠組み構築に向けて」に関するヒアリング調査結果について」
研究報告第25号で提案した非営利組織の会計枠組み構築についての意見を得るため、関係者へのヒアリング調査を実施しました。その結果を取りまとめ、研究資料第6号として公表しました。
2015年5月26日
非営利組織会計検討会による報告「非営利組織の財務報告の在り方に関する論点整理」
研究報告第25号の検討及びその後実施したヒアリング調査の結果、非営利組織の会計に関する重要な論点について、更に掘り下げた議論が必要であるとの認識に至り、非営利組織会計検討会を設置しました。非営利組織会計検討会では、会員のみならず非営利組織及び会計に関する高度な知見を有する有識者の参加を得て、会計の基礎概念及び重要な個別論点に関する検討を行いました。
本検討は、研究報告第25号で提唱したモデル会計基準開発に向けた基礎的な検討として位置付けられるものであり、今後の個別論点検討の基礎となるものです。
2016年9月20日
非営利法人委員会研究報告第30号「非営利組織会計基準開発に向けた個別論点整理~反対給付のない収益の認識~」
「非営利組織の財務報告の在り方に関する論点整理」で取り上げた論点から、非営利組織において重要かつ典型的な収益である「反対給付のない収益」について検討し、研究報告第30号を取りまとめました。
本研究報告では、論点整理における検討結果を前提として、その要点を示すとともに、反対給付のない収益として寄付金のほか、補助金及び助成金、現物寄付、無償又は低廉な価格での人的サービス並びに使用貸借といった具体的な資源流入形態別の検討を行っています。
なお、本研究報告は、約1か月の意見募集を実施し、最終取りまとめを行っています。
2017年12月1日
非営利法人委員会研究報告第34号「非営利組織会計基準開発に向けた個別論点整理~固定資産の減損~」
「非営利組織の財務報告の在り方に関する論点整理」で取り上げた論点から、モデル会計基準の開発に向けて、論点整理で取り上げた個別論点のうち、「固定資産の減損」について検討し、研究報告第34号を取りまとめました。
本研究報告では、論点整理における検討結果を前提として、その要点を示すとともに、非営利組織における減損と減損会計の在り方を検討した上で、非営利組織における固定資産を資金生成資産と非資金生成資産に分類し、それぞれについて、減損の兆候、認識、測定といった会計上の取扱いの具体的な検討を行っています。
なお、本研究報告は、約1か月の意見募集を実施し、最終取りまとめを行っています。
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