IFRS財団評議員会がサステナビリティ報告コンサルテーションへのフィードバックに基づく戦略的方向性とさらなるステップを公表

2021年04月26日

 IFRS財団評議員会は、2021年3月2日から4日に会合し、「サステナビリティ報告に関するコンサルテーション・ペーパー」(2020年コンサルテーション)に寄せられたフィードバックの分析と議論を継続しました。(背景は2021年2月4日掲載のIFRSに関するお知らせをご参照ください。)

 評議員会は、2021年2月の証券監督者国際機構(IOSCO)による公式声明が資本市場のニーズを満たすサステナビリティ報告基準を設定するための新審議会を設立する計画を策定するに当たり、IFRS財団と作業するIOSCOの意向を表明したことを歓迎しました。これには、新審議会とその基準の将来のエンドースメントの検討が含まれます。評議員会は、企業価値を取扱う報告基準の公益の重要性を認識しています。企業価値は、短期、中期及び長期に投資家にとっての予想価値創造を捉え、社会と環境にとっての価値創造と相互依存関係にあります。

 2020年コンサルテーションへのフィードバックに基づいて、IOSCO理事会の声明で奨励されたことを踏まえ、評議員会は、新審議会の戦略的方向性について、以下の見解に到達しました。

  • 企業価値のための投資家の焦点

    新審議会は、投資家、債権者、その他の債権者の意思決定にとって重要な情報に焦点を当てることになる。
  • サステナビリティの範囲、気候優先

    気候関連事項に関するより良い情報の緊急の必要性により、新審議会は、当初は気候関連の報告に焦点を置くとともに、他のESG (環境、社会、ガバナンス)問題に関する投資家の情報ニーズを満たすことに努める。
  • 既存のフレームワークを基礎とする

    新審議会は、金融安定理事会の気候関連財務情報開示に関するタスクフォース(TCFD)の十分に確立された作業に加えて、企業価値に焦点を当てたサステナビリティ報告において先進的な基準設定主体の同盟による作業を基礎とする。評議員会は、当該同盟が気候関連の開示に対するアプローチのために提案したプロトタイプを、新審議会が気候関連の報告基準を開発するための潜在的な基礎として検討する。この作業に備えるため、IFRS財団は、関連団体との構造的な関与のプロセスを開始する。
  • ビルディング・ブロック・アプローチ

    主要な法域の基準設定主体と協力することで、新審議会より公表される基準は、国際的に一貫性があり、比較可能なサステナビリティ報告のベースラインを提供すると同時に、より広範なサステナビリティの影響を捉える報告要求事項に関する調整のための柔軟性を提供する。

 評議員会は、2020年コンサルテーションに対して受け取った回答と、そのフィードバックが上記決定にどのように情報を提供したかを要約したフィードバック文書とともに、新審議会の設置(その構成を含む)を正式化するのに必要な財団の定款の修正案をコメント募集のため公表します。評議員会は、IFRS財団モニタリング・グループと引き続き関わり合い、提案された修正に対する見解を知らされます。定款の修正は、90日間のコメント期間でのコンサルテーションの対象となります。


 詳細は、IFRS財団ウェブサイトをご参照ください。

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