2018年05月18日
英国財務報告評議会(FRC:Financial Reporting Council)は、2018年5月10日付けで、監査品質強化の一環として、「監査文化に関するテーマ別レビュー(原題:Audit Culture Thematic Review)」を公表いたしましたので、お知らせいたします。本レビューでは、高品質な監査を支えるための風土を醸成するために、監査事務所が事務所規模で十分な時間と労力を割いていること、監査事務所内でのグッド・プラクティスの識別を行っていること、及び監査事務所が監査品質を更に向上させるために対処するべき主要な範囲について示されています。
適切な監査文化の醸成に関し、監査事務所が特に注意を払うべき主要な範囲として、以下の5点が挙げられています。
- 高品質な監査を支える誠実性、公正性、監査人の独立性、職業的懐疑心などの基本原則を含んだ、監査事務所の文化醸成に当たって監査業務に特有の行動及び価値観を強調すること。
- 優れた監査業務は、ビジネスの誠実性及び公正性を支える上で役立つ、重要な社会的価値を帯びたものであるということを、監査業務に従事する全ての社員及び職員が理解すること。
- 高品質な監査業務の実施に対する積極的な貢献の価値を認めることを通じ、低品質な業務の実施に歯止めをかけるよう、監査事務所の業務プロセスを調整すること。
- 監査品質の優劣に影響を与える行動的又は文化的要因を特定するための、要因分析の技術を更に発展させること。
- 例えば、監査事務所のINE(Independent Non-Executive)が、適切な文化を醸成するための監査事務所の取組について積極的に評価を行うなど、監査事務所の文化醸成に当たっての監督機能を改善すること。
FRCは今後、大規模監査事務所の監査文化についてもレビューを行う予定です。
原文(ニュースリリース):
https://www.frc.org.uk/news/may-2018/high-quality-audit-enhanced-by-stronger-culture
原文(テーマ別レビュー本文):
https://www.frc.org.uk/getattachment/2f8d6070-e41b-4576-9905-4aeb7df8dd7e/Audit-Culture-Thematic-Review.pdf
以 上