平成28年11月25日に、藤沼亜起相談役を講師とする国際委員会主催勉強会の第1回目が開催され、国際委員会の委員を中心に約30名の会員が出席しました。
国際委員会では、特に国際会計士連盟(IFAC)等の国際組織において、将来日本代表として活躍できるような国際的な知見と経験を備えた国際人材の育成に継続的に取り組んでおります。そこで、過去IFAC等において活躍した方々を講師としてお迎えし、国際的な組織での活動の概要や当該組織に参加することになった経緯(どのようなキャリアが国際組織への参加に繋がったかなど)のほか、国際的な組織での活動のやりがいや使命、驚いた話やこぼれ話などを含めた講義をいただき、国際的に活躍するためにどのような経験や素養を備えておく必要があるかなどを会員が広く知り、国際舞台での活躍を目指す会員を増やしていくための勉強会を継続的に開催しています。
第1回勉強会では、「世界に受け入れられる会計人材への道」と題し、藤沼相談役より、会計事務所勤務からヨーロッパでの駐在勤務を経て、国際監査実務委員会(IAPC、現在の国際監査・保証基準審議会(IAASB))の委員、IFAC理事会メンバー等を経験されたのち、IFACの会長に就任されるまでの経緯やその過程での記憶に残る出来事などを中心にご紹介いただくとともに、当会の会長在任中の出来事や実施された事業などをご紹介いただきました。
また、公認会計士の使命や公認会計士の職業倫理・職責の特徴についてのお話をいただくとともに、会計プロフェッションとしての脅威と課題認識として、優秀な人材の確保と育成、監査に対する期待と期待齟齬、倫理・行動規範遵守の重要性、自主規制と法規制のバランス、そしてデジタルテクノロジー進化への対応などの点についてのお話をいただきました。さらに、世界に通用する会計プロフェッションを目指す会員への示唆として、公認会計士としての心構えや気概のほか、一般教養に加えて必要となる基礎的素養(専門的知識と関連する周辺分野の知識として、自国のみならず外国の文化や歴史などに対する興味と理解を持つことなど)と技能(英語、IT知識、IFRS等)とともに、留学や海外派遣などを通じて国際経験を積み重ねることの重要性などが紹介されました。
勉強会の最後では、外国人との交流に当たっての『フジヌマの「3F+With Fun」』の原則が紹介されるとともに、国際会計人材への期待として、人間としてのIntegrity(信頼性)、公益の擁護の姿勢、世界に通用する知識と前向きなVisionを持ち、その実現を目指して努力をする、つまり世界に通用する仕事ができる会計国際人材を目指してほしいとのメッセージをいただきました。
【フジヌマの「3F+With Fun」】
その1、Friendly に接し、友人を増やせ!
その2、Frankに意見を言い、信頼を得る!
その3、Fairな態度と判断力を保持し、尊重し尊敬される!
「笑い」でお互いに愉快な気持ちになる“With Fun”を忘れずに!
国際委員会では今後も継続的に国際人材の育成を続けていくことを予定しており、次回の勉強会は、平成29年2月23日(木)に国際会計基準審議会(IASB)の発足メンバーとして日本から唯一参加され、IFRSの作成に尽力された山田辰己会員をお迎えすることを予定しております。ご参加にご興味のある会員は、自主規制・業務本部 国際グループまでご連絡ください。