専門情報

企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等の公表に伴う実務指針等の改正及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」について

掲載日
2024年09月13日
号数
第12号, 第19号, 第53号, 第65号, 第90号
常務理事 男澤 江利子 常務理事 菅谷 圭子 常務理事 小林 尚明

 日本公認会計士協会(会計制度委員会、業種別委員会及び監査・保証基準委員会)では、2024年9月11日に開催されました常務理事会の承認を受けて、対象の実務指針等の改正を2024年9月13日付けで公表しましたのでお知らせします。

 

1.対象の実務指針等

 以下の実務指針等について、改正を行いました。

  • 会計制度委員会研究報告第12号「臨時計算書類の作成基準について」
  • 業種別監査委員会報告第19号「リース業における金融商品会計基準適用に関する当面の会計上及び監査上の取扱い」
  • 業種別委員会実務指針第53号「年金基金の財務諸表に対する監査に関する実務指針」
  • 業種別委員会実務指針第65号「投資法人における監査上の取扱い」

  • 監査・保証実務委員会実務指針第90号「特別目的会社を利用した取引に関する監査上の留意点についてのQ&A」

2.改正の背景

 ASBJにおいて、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みの一環として、借手の全てのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に向けて、国際的な会計基準を踏まえた検討が行われ、基本的な方針として、IFRS第16号の単一の会計処理モデルを基礎とするものの、IFRS第16号の全ての定めを採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ、IFRS第16号の定めを個別財務諸表に用いても、基本的に修正が不要となることを目指したリース会計基準案等が公表されました。これに伴い、実務指針等についても改正する必要が生じたため、ASBJから当協会に対し、実務指針等の改正の検討の依頼がありました。

 本改正は、当協会による検討の結果、実務指針等の改正を行うものです。


3.改正内容等

 実務指針等の主な改正内容等は、以下のとおりです。

(1) ASBJからの改正依頼による主な改正

 ① 用語の変更

  以下の用語を変更後のとおり改正しました。

  • リース取引 ⇒ (変更後)リース
  • リース資産 ⇒ (変更後)使用権資産
  • リース債務 ⇒ (変更後)リース負債

 ② 借手の会計処理

  借手のリースの費用配分の方法について、IFRS第16号と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、全てのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルにしました。


(2) ASBJからの改正依頼によらない当協会独自の主な改正

 ① 業種別監査委員会報告第19号「リース業における金融商品会計基準適用に関する当面の会計上及び監査上の取扱い」

  • 「2.リース業における負債の包括ヘッジの取扱い」は、ヘッジ取引のうち2000年4月1日以後開始する最初の事業年度末までに行ったヘッジ取引契約(ただし、最長契約期間10年以内のものに限る。)を適用の対象としており、既にその役割を終えているため削除しました。
  • 当文書の名称を「業種別監査委員会報告第19号」から「業種別委員会実務指針第19号」に変更しました。

 ② 会計制度委員会研究報告第12号「臨時計算書類の作成基準について」、業種別委員会実務指針第53号「年金基金の財務諸表に対する監査に関する実務指針」、同実務指針第65号「投資法人における監査上の取扱い」及び監査・保証実務委員会実務指針第90号「特別目的会社を利用した取引に関する監査上の留意点についてのQ&A」

  • 監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」及び保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」(2022年7月21日公表)に伴う適合修正を行いました。

(3) 公開草案からの主な変更点

 実務指針等の見直し及び検討に当たっては、2023年5月2日から2023年8月4日までの間、草案を公開し、広く意見を求めました。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表いたしますので、ご参照ください。

 このほか、『移管指針「移管指針の適用」等の公表』(2024年7月1日付けASBJ公表)に伴う適合修正、及び現行の関連法令等との整合性を図る字句修正を追加で行いました。

 また、監査・保証実務委員会実務指針第90号「特別目的会社を利用した取引に関する監査上の留意点についてのQ&A」のQ21及びQ23において、公開草案のコメント期間後のASBJに寄せられた公開草案に対するコメントへの対応等に伴い、ASBJより追加の改正依頼が寄せられたため、修正を行いました。


【参考】

 ASBJよりリース会計基準等が公表されておりますので、リンク先のASBJのウェブサイトをご参照ください。 

 

以  上

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