専門情報

「令和6年度税制改正意見書」の公表について

掲載日
2023年06月27日
常務理事 佐藤 敏郎

 日本公認会計士協会は、2023年6月15日に開催されました常務理事会の承認を受けて「令和6年度税制改正意見書」(以下「意見書」という。)を公表いたしましたのでお知らせいたします。

 本意見書は、2022年9月14日付けの諮問事項「令和6年度に係る税制改正に対し意見・要望すべき事項について検討して取りまとめ、提言されたい」に対するもので、第一部「税制の在り方に関する提言」と第二部「令和6年度税制改正に関する個別意見」の二部構成となっております。

 第一部「税制の在り方に関する提言」では、昨今の社会情勢に対し、急速に進むデジタル経済への対応、働き方の多様化に即した納税環境の整備、経済格差や資産格差の是正の観点から、税制の在り方や方向性を示しています。具体的には、Ⅰ「日本企業の競争力の強化について」、Ⅱ「経済社会構造の変化、少子高齢化への対応について」及びⅢ「経済格差の是正について」の3項目に区別し、特にⅠ「日本企業の競争力の強化について」のうち、中小企業の画定に企業成長の視点を取り入れること、を今年度の重点意見として掲げています。

 第二部「令和6年度税制改正に関する個別意見」では、主として我が国経済の構造的問題に関する意見である8項目の「政策意見」と、主として税制の個別規定に関する意見である79項目の「個別税制に関する意見」に分けて意見表明しています。今年度は特に、中小法人の画定基準を見直すこと、複数の基準が並立する少額減価償却資産損金算入の基準金額を一律30万円未満に引き上げること、種類株式の評価についての考え方及び課税上の取扱いを明確化すること、外国子会社合算税制における外国関係会社の所得の合算時期を「外国関係会社の事業年度終了の日から2か月を経過する日を含む事業年度」から、「4か月を経過する日を含む事業年度」とすること、事業税の外形標準課税の適用対象法人は担税力に十分配慮するとともに課税方法を簡素化すること、を重点意見として掲げています。

 最後に、本意見書は、関係団体に対し、速やかに提出する予定であることを申し添えます。

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