2021年04月26日
IFRS財団評議員会は、2021年3月22日、企業価値に焦点を置く国際的なサステナビリティ報告基準におけるコンバージェンスを加速し、IFRS財団の統治下の国際サステナビリティ報告基準審議会の技術上の準備に着手するため、ワーキング・グループの形成を公表しました。
具体的には、ワーキング・グループは、新審議会が既存のイニシアティブを基に前進し、気候関連報告及び他のサステナビリティのトピックに係る基準を開発する可能性のある基礎として、TCFDの勧告に基づくプロトタイプのさらなる開発を含む技術上の勧告を提供します。当該グループはまた、サステナビリティ報告基準における統合を促進し、分断化を削減するため、技術上の専門知識と内容がIFRS財団のガバナンス構造下の新審議会へどのように移行するかをレビューします。
ワーキング・グループは、財務報告との結合性のニーズを前提として、IFRS財団が議長を務め、IASBの参加者を含みます。新審議会が公表する基準の評価及び承認で果たす不可欠の役割を前提として、証券監督者国際機構(IOSCO)はオブザーバーとして参加します。この準備フェーズの間、サステナビリティ報告に作業している法域との関与も歓迎します。
以下のワーキング・グループ参加者は、企業価値に関する報告に尽力し、国際的な経験を集めます。
- 金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示に関するタスクフォース (TCFD)
- 価値報告財団( 国際統合報告評議会 (IIRC) と サステナビリティ基準審議会 (SASB)の合併を代表)
- 気候変動開示基準委員会 (CDSB)
- 世界経済フォーラム (WEF) このプロセスを通して、ワーキング・グループはグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)及び 気候開示プロジェクト(CDP)と緊密に関与します。
ワーキング・グループの最初の会議は2021年4月に開催されます。
他のイニシアティブとの両立
評議員会は、新審議会の公表するサステナビリティ報告基準が、基準適用のさらなる比較可能性と一貫性を可能とする国際的なサステナビリティ報告のベースラインを提供すると同時に、追加的な法域及び多様な利害関係者の報告要求事項を調整するための柔軟性を提供すると予想しています(ビルディングブロック・アプローチ)。
評議員会はこのような精神で、ワーキング・グループと並行して、IOSCO及び関連する団体との作業を開始し、IFRS財団の構造の中にマルチステークホルダー専門家協議委員会を設立することを探索します。本協議委員会は、新審議会とサステナビリティ報告に関与する国際的な利害関係者とのエンゲージメントを正式化及び合理化することを任務とします。
プロジェクトのリーダーシップ
Clara Barby 氏は、インパクト・マネジメント・プロジェクト(IMP)を一時離れて、IFRS財団評議員会のステアリング・コミッティーの監視及び戦略的方向性の下、IFRS財団のサステナビリティ・プロジェクトを率います。
詳細は、IFRS財団ウェブサイトをご参照ください。