IFRS財団評議員会がサステナビリティ報告への国際的アプローチ及び財団の役割について意見を募集

2020年10月02日

 IFRS財団評議員会は、2020年9月30日、サステナビリティ報告に関するコンサルテーション・ペーパーを公表しました。本コンサルテーション・ペーパーは、国際的なサステナビリティ基準への要望を評価し、強い要望がある場合、IFRS財団が当該基準開発に貢献できるのか否か、及びどの程度の貢献ができるのかを評価するためのものです。


 環境、社会、企業統治(ESG)の問題への注目が高まり、また、サステナビリティ報告が開発されて、当該報告の統一を要望する声が多く聞かれる中、評議員会は国際的なサステナビリティ基準への要望についてステークホルダーに意見を募っており、当該基準開発におけるIFRS財団の果たす役割への支持を評価しています。


 本コンサルテーション・ペーパーは、IFRS財団の現在の権限を、財務報告基準の開発の域を越えて拡大し、IFRS財団の国際的な基準設定の経験、十分に確立され支持を得ている基準設定プロセス、さらにガバナンス構造を活かして、国際的なサステナビリティ基準の開発に貢献し得る方法を提示しています。


 その中の1つの選択肢として、IFRS財団による新しいサステナビリティ基準審議会の設立が提示されています。新審議会は、IFRS財団の三層のガバナンス構造の下、国際会計基準審議会(IASB)と並んで活動し、既存の開発を基礎として、サステナビリティにおける他団体及びイニシアティブと協力し、当初は気候変動に関する問題に集点を当てるとされています。


 さらに、新審議会創設のための重大な成功要因として、以下を提示しています。

 ・公的機関及び市場参加者からの十分な支援の達成

 ・サステナビリティ報告における国際的な首尾一貫性の達成及び複雑性の削減のため各地域のイニシアティブとの作業

 ・ガバナンス構造の適切性の確保

 ・評議員会、新審議会メンバー及びスタッフの適切な技術的専門知識の達成

 ・適切な水準の資金調達の達成

 ・財務報告との効果的なシナジーの構築を探求する構造等の開発

 ・IFRS財団の現在のミッション及びリソースを弱めないこと


 本コンサルテーション・ペーパーに関するコメント期限は、2020年12月31日です。


 評議員会は、IFRS財団の戦略に関して5年ごとに協議することを求められており、本コンサルテーション・ペーパーは、評議員会内のタスクフォースの作業に基づき、将来の戦略に関する現在の評価を取り込んでいます。IFRS財団の権限のいかなる変更も、さらなる公開協議に従うことになります。


 詳細は、 IASBウェブサイトをご参照ください。

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