IASBが公開草案「概念フレームワークへの参照」(IFRS第3号の修正案)を公表

2019年08月20日
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 IASBは、2019年5月30日、公開草案「概念フレームワークへの参照」を公表し、IFRS第3号「企業結合」の狭い範囲の修正を提案しました。


 IASBは最近、「財務報告に関する概念フレームワーク」を改訂し、2018年3月に改訂版を公表しました(2018年版概念フレームワーク)。2018年版概念フレームワークは、2010年版概念フレームワークに置き換わるものですが、2010年版概念フレームワーク自体、国際会計基準委員会(IASC)が1989年に公表し、2001年にIASBが採択した「財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク」(1989年版フレームワーク)を置き換えたものです。


 2018年3月現在、IFRS第3号「企業結合」を含むいくつかのIFRS基準は、2010年版概念フレームワークか1989年版フレームワークのいずれかを参照することを財務諸表の作成者に要求していました。IASBは、2018年版概念フレームワークを公表した際、2018年版概念フレームワークを参照するようにこれらの基準を更新する意図に留意しました。


 2018年3月、IASBはほとんどの参照を更新しましたが、IFRS第3号における参照を更新しませんでした。IFRS第3号に他の変更を行わずに参照を更新することで、意図しなかった影響が生じ得ることが懸念されたからです。特に、2018年版概念フレームワークで導入された資産及び負債の定義に変更することによって、企業結合で認識される資産又は負債の母集団が変わる可能性がありました。IASBは、可能性のある意図しなかった影響とそれらを回避する方法を分析することを決定しましたが、今ではその分析を完了しています。


 本公開草案は、現行のIFRS第3号の会計処理の要求事項を大きく変更することなく、2018年版概念フレームワークを参照するために、IFRS第3号における下記3か所の修正を提案しています。


1. IFRS第3号の参照する概念フレームワークの変更(1989年版フレームワークから2018年版概念

  フレームワークへ)

 現在、IFRS第3号の認識原則は、企業結合で認識される資産及び負債が1989年版フレームワークにおける資産及び負債の定義を満たすことを要求していますが、2018年版概念フレームワークへの参照に置き換えることが提案されています。


2. IFRS第3号における認識原則に関する例外の設定

 2018年概念フレームワークの資産及び負債の定義は1989年版のものとは異なります。企業結合で認識される資産又は負債の一部は、取得日後、他の該当するIFRS基準を適用する場合、認識の要件を満たさない可能性があります。したがって、取得企業は、企業結合時に当該資産又は負債をまず認識し、その後、直ちに認識を中止することになります。その結果生じる「2日目」の損失又は利得は、経済的な損失又は利得を描写しませんし、取得企業の財務業績のいかなる側面も忠実に表現することにはなりません。

 2日目の損失又は利得の問題は、取得日後にIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」又はIFRIC解釈指針第21号「賦課金」を適用して会計処理される負債に関してのみ実務で重大になるであろうとIASBは結論付けました。

 この問題が生じるのを避けるため、IFRS第3号における認識原則に対する例外を追加することが提案されています。別個に発生する場合にIAS第37号又はIFRIC第21号の適用対象となる負債及び偶発負債に関して、取得企業は、企業結合で引き受けた義務を識別するため、2018年版概念フレームワークの代わりに、IAS第37号又はIFRIC第21号をそれぞれ適用しなければなりません。この例外を適用することで、企業結合で認識される負債及び偶発負債は、現在IFRS第3号を適用して認識されるものと同じとなります。


3. 偶発資産を認識できないことに関する記述の明確化

 IFRS基準は、偶発資産を、その存在が将来の不確実な事象によってのみ確認される発生し得る資産と定義しています。IFRS第3号は、取得企業が偶発資産を認識することを禁止していますが、この禁止は、基準に付随する結論の背景にのみ明記されています。この要求事項を明確化し、概念フレームワークの参照先を更新することに伴い、その要求事項の取扱いについても変更が生じるのではないかという疑念に対応するため、取得企業は企業結合で取得される偶発資産を認識してはならないという明示的な記述をIFRS第3号に追加することが提案されています。


 本公開草案に対するコメント期限は、2019年9月27日です。


 詳細は、IASBのウェブサイトをご参照ください。

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