2019年05月16日
IFRS財団評議員会が、IASBとIFRS解釈指針委員会が従う手続上の要求事項である「デュー・プロセス・ハンドブック」(以下、「ハンドブック」)の修正案を2019年4月30日に提案し、利害関係者のコメントを求めています。
評議員会のデュー・プロセス監督委員会(DPOC)は、「ハンドブック」に示されたデュー・プロセスへのIASBと解釈指針委員会の準拠性の監督に責任を負っています。デュー・プロセスは、透明性、十分で公正な協議、説明責任の3つの原則に基づいています。
評議員会は、「ハンドブック」をレビューし、IASBと解釈指針委員会の活動に照らして最新のものとし、引き続き目的に合致し、最善の実務を反映し続けるための修正を提案しました。
主な修正提案は、下記のとおりです。
- 影響分析(新IFRS基準又は修正IFRS基準の可能性の高い影響の評価)の使用に関する手続を更新し、現在の活動との整合性を確保すること、及び当該影響分析が基準設定プロセスの全ての段階で行われることを明確化
- 解釈指針委員会が公表するアジェンダ決定の役割と位置付けの明確化、アジェンダ決定の結果、会計方針を変更するか否かの決定及び当該変更の実施のために十分な時間を企業に与えなければならないことの「ハンドブック」への反映、及びIASBがアジェンダ決定を公表できるように「ハンドブック」の修正
- IFRS財団が作成する教育文書のカテゴリーの明確化
- IASBの作業計画への主要プロジェクトの追加に関する協議の要求の精緻化
- IFRS諮問会議の役割(テクニカル上の協議体ではなく、戦略事項に関するIASBへの助言であること)の明確化
- IFRSタクソノミの修正の承認プロセスとIFRSタクソノミのデュー・プロセスの監督におけるDPOCの役割の明確化
修正案は、2017年の利害関係者に対する認知調査への対応を反映しています。当該調査において、IFRS財団のデュー・プロセスが高く評価されている一方で、一部の利害関係者は、作業の質に悪影響を与えずにデュー・プロセスを効率化できるのか否かに疑問を持っていることが示されていました。
IFRS諮問会議に関する「ハンドブック」の修正案の結果、評議員会は、これに対応するIFRS財団の「定款」の狭い範囲の修正も提案しています。
本修正案に対するコメントの期限は、2019年7月29日です。
詳細は、IASBのウェブサイトをご参照ください。