IASBが「重要性がある」の定義の修正(IAS第1号及びIAS第8号の修正)を公表

2018年11月09日
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 IASBは、2018年10月31日、企業が情報に財務諸表に含めるべき重要性があるか否かの判断をより容易に行うことができるように「重要性がある」の定義の修正を公表しました。本定義の修正により、IAS第1号「財務諸表の表示」及びIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」が修正されています。

 本修正による「重要性がある」の定義の修正は下記のとおりです。

従前の定義 新しい定義
項目の脱漏又は誤表示は、利用者が財務諸表を基礎として行う経済的意思決定に、単独で又は総体として影響を与える可能性がある場合には、重要性がある。 情報は、それを脱漏したり誤表示したり覆い隠したりしたときに、特定の報告企業の財務情報を提供する一般目的財務諸表の主要な利用者が当該財務諸表に基づいて行う意思決定に影響を与えると合理的に予想し得る場合には、重要性がある。


 定義における主な修正点は、下記のとおりです。

  • (1)従前の定義では、「影響を与える可能性がある場合(could influence)」とされていましたが、当該閾値が低すぎて余りにも広く適用される可能性があるとの懸念から、新しい定義では、IAS第1号第7項における現行の説明を組み込んで、「影響を与えると合理的に予想し得る場合(could reasonably be expected to influence)」に変更されています。
  • (2)IAS第1号及び第8号の定義よりも明確であるとして、概念フレームワークにおける重要性の定義の文言を用いています(ただし、基準の対象と整合させるため、「財務報告」ではなく「財務諸表」に言及)。さらに、従前の定義では、「利用者」に言及されていましたが、余りにも広範囲に解釈される可能性があるとの懸念から、新しい定義では、概念フレームワークで用いられている「一般目的財務諸表の主要な利用者」に変更されています。
  • (3)従前の定義では、「脱漏」、「誤表示」といった用語のみが用いられていましたが、それに追加して、重要でない情報を含めることの影響も考慮すべきとの懸念から、新しい定義では、IAS第1号第30A項における現行の概念を組み込んで、「覆い隠す(obscuring)」という用語が追加されています。

  •  なお、定義において 'could'を 'would'に置き換えることで、情報に重要性がある閾値を上げるべきとの意見がありましたが、IASBは、'would'を用いることで意図せざる帰結がもたらされる実質的な変更になるとして、そのような変更は行いませんでした。

     「重要性がある」の新しい定義及び定義に付属する説明は、IAS第1号に含まれ、IAS第8号における定義はIAS第1号を参照する形に変更されています。

     本変更は、2020年1月1日に発効します。また、早期適用が容認されています。

     詳細は、IASBのウェブサイトをご参照ください。

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