IASBは、2017年3月30日、ディスカッション・ペーパー「開示に関する取組み-開示原則」を公表しました。本ディスカッション・ペーパーは、財務諸表における開示を一層効果的なものにする開示原則を提案するものであり、IASBがアウトリーチを通して識別した開示に係る論点、及びその解決方法に関するIASBの予備的見解について、フィードバックを求めています。
IASBは、本ディスカッション・ペーパーに対するコメントを検討した上で、IAS第1号「財務諸表の表示」(全般的な開示要求事項を対象とする基準)を修正するか、又はIAS第1号に置き換わる新たな全般的な開示基準を開発する予定です。
本ディスカッション・ペーパーのセクション
No. |
タイトル |
要約 |
1 |
「開示の問題」の概観と本プロジェクトの目的 |
IASBが識別した主要な懸念(集合的に「開示の問題」と呼ぶ)を要約し、本プロジェクトの背景と目的を示し、本プロジェクトがIASBの他のプロジェクト(開示に関する取組みの他の部分を含む)とどのように相互に関連するかを説明 |
2 |
効果的なコミュニケーションの原則 |
企業が財務諸表作成時に適用しなければならない効果的なコミュニケーション原則を議論 |
3 |
基本財務諸表と注記の役割 |
財務諸表の異なる構成要素の役割と当該役割が財務諸表の目的を満たすために役立つ方法を議論 |
4 |
情報の配置 |
以下を議論 ・どのような場合に企業は、IFRS基準に準拠する必要のある情報を、財務諸表外で提供することができるのか ・どのような場合に企業は、「非IFRS情報」として、又は類似した表示により識別される情報を、財務諸表内で提供することができるのか |
5 |
財務諸表における業績指標の使用 |
財務諸表における業績指標の適正な表示を議論 |
6 |
会計方針の開示 |
企業が会計方針を開示する方法の改善策を議論 |
7 |
中心となる開示目的 |
中心となる開示目的の開発、及びIASBがそれを基礎として用いて、IFRS基準における開示目的及び要求事項を開発し体系化する方法を議論 |
8 |
IFRS基準における開示要求事項の起草に対するニュージーランド会計基準審議会(NZASB)スタッフのアプローチ |
IFRS基準における開示目的及び要求事項を起草するためにNZASBスタッフの開発したアプローチ |
開示に関する取組みは、IASBの中心テーマである「財務報告におけるより良いコミュニケーション」の重要な一部です。
本ディスカッション・ペーパーに関するコメント期限は、2017年10月2日です。
詳細は、IASBのウェブサイトをご参照ください。