日本政府は、2016年6月2日、「日本再興戦略2016 ―第4次産業革命に向けて―」を公表しました。未来投資に向けた制度改革の一つにコーポレートガバナンス改革による企業価値の向上を挙げ、そのなかで情報開示、会計基準及び会計監査の質の向上のための具体的施策を示しました。
以下に、会計基準の品質向上のための具体的施策を抜粋します。
イ)会計基準の品質向上
我が国において使用される会計基準の品質向上を図るため、財務会計基準機構、企業会計基準委員会、日本公認会計士協会、日本取引所グループ、企業等と連携して、以下の取組を推進する。
・IFRSの任意適用企業の拡大促進
関係機関等と連携して、IFRSに移行した企業の経験を共有する機会を設けるとともに、IFRSに係る解釈について発信・周知することにより、IFRS適用企業やIFRSへの移行を検討している企業等の実務の円滑化を図り、IFRSの任意適用企業の拡大を促進する。
・IFRSに関する国際的な意見発信の強化
のれんの会計処理やリサイクリング(その他の包括利益に計上した項目を、純利益に振り替える会計処理)等に関して、我が国の考える、あるべきIFRSについての国際的な意見発信を更に強力に行う。
・日本基準の高品質化
企業会計基準委員会における我が国の収益認識基準の高品質化に向けた検討が加速されるよう、必要な支援を行う。
・国際会計人材の育成
関係機関等と連携して、IFRSに関して国際的な場で意見発信できる人材のプールを構築する。また、日本公認会計士協会を通じて、IFRSに基づく会計監査の実務を担える人材やその育成に係る監査法人の状況について把握し、監査法人に対して適切な取組を促す。
詳細は、首相官邸のウェブサイトをご参照ください。