IASBがIFRS第4号の修正案『IFRS第4号「保険契約」に関連するIFRS第9号「金融商品」の適用』を公表

2015年12月15日

  IASBは、2015年12月9日、IFRS第4号「保険契約」の修正案を公表しました。本修正案は、IFRS第9号「金融商品」と公表予定の新しい保険契約基準との異なる適用日に関する、一部の関係者の懸念に対応するために提案されたものです。

 

  IASBは、2014年7月にIFRS第9号の完成版を公表しました。IFRS第9号は金融商品の認識及び測定に関する要求事項を規定し、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」を置き換えるものです。適用日は2018年1月1日で、早期適用が認められます。

 

  一方、IASBでは、IFRS第4号「保険契約」を置き換えるプロジェクトが最終段階にあります。ただし、IASBは、新しい保険契約基準を適用するため、当該基準の公表後およそ3年間の期間を容認する予定です。したがって、新しい保険契約基準の最も早くなり得る強制適用日は、IFRS第9号の適用日後となる予定です。

 

  特に、保険契約発行者やそれを代表する機関など、関係者の一部は、IFRS第9号の適用日と新しい保険契約基準の適用日とを揃えるために、IASBがIFRS第9号の適用延期を保険契約発行者に容認する(すなわち、IFRS第9号の適用の一時的な免除を保険契約発行者に提供する)べきと提案しました。

 

  関係者の懸念のうち少なくとも一部は、現行基準を修正することなく対応できます(例えば、IFRS第4号における現行の会計上の要求事項による、新しい保険契約基準の経過措置と補強した任意の開示)。しかし、関係者の一部は、現行基準を修正せずには、IFRS第9号と新しい保険契約基準との異なる適用日に関する懸念に対して適切に対応するのは困難と考えています。そこで、IASBは以下を提案しています。

a)上書きアプローチ:IFRS第4号の範囲となる保険契約を発行する企業が、指定する金融資産から生じる損益の一部を、純損益からその他の包括利益に振り替えることを認める選択肢。

b)延期アプローチ:大半の活動がIFRS第4号の範囲内の保険契約の発行である企業が利用できる、IFRS第9号の適用の一時的な免除の選択肢。この一時的な免除は、IFRS第9号と新しい保険契約基準との異なる適用日により最も影響を受ける企業が、IFRS第4号の範囲となる契約により生じる活動に完全に従事しているため、これらの企業を対象としています。

 

  本修正案に対するコメント期限は、2016年2月8日です。

 

  詳細は、IASBのウェブサイトをご参照ください。

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