2014年5月23日、自由民主党、日本経済再生本部は、「日本再生ビジョン」を公表した。ここで掲げられた7つの柱の1つである「4.日本再生のための金融抜本改革」のなかで、「(5)会計基準等、企業の国際化、ルールの国際水準への統一」(41ページ)が提言され、具体的に、下記について記載している。
・ 会計における「単一で高品質な国際基準」策定への明確なコミットの再確認
- 2013年6月に自民党が公表した「国際会計基準への対応についての提言」では、「集中投資促進期間」のできるだけ早い時期に、IFRSの強制適用の是非やタイムスケジュールを決定するよう議論を深めることを求めている。政府は、その具体的作業を早急に始めるべき
・ IFRSの任意適用企業の拡大促進
- 2013年6月に自民党が公表した「国際会計基準への対応についての提言」で掲げた、2016年末までにIFRS適用企業を300社程度とする目標の実現に向け、あらゆる対策を検討し、実行に移し、積極的に環境整備に取り組むべき
・ JPX新指数に採用された企業への働きかけ
- JPX新指数銘柄に採用された企業に関しては、社外取締役やIFRS導入動向をモニターし、十分な進展がみられない場合、当該企業への働きかけや、それらの加点割合を増加させる等、一層の促進策の検討を行うべき
・ 東証上場規則における企業のIFRSに関する考え方の説明の促進及び「IFRS適用レポート(仮称)」の作成
- 上場企業に対し、IFRSの適用に関する基本的な考え方を、投資家に説明することを、東証上場規則で促すよう提案する
- IFRSの任意適用会社が、IFRS移行時の課題をどのように乗り越えたのか、移行のメリットは何か、等について実態調査やヒアリングを行い、金融庁にて「IFRS適用レポート(仮称)」を公表し、移行を検討中の企業を後押しすべき
なお、別の柱となる「5.起業大国No.1の実現」の中では、M&Aの促進を掲げ、日本基準における「のれんの償却」とIFRSにおける「のれんの非償却」との関係で、企業の競争力に問題が生じかねないと指摘し、企業のIFRS移行の促進、IFRSの使いやすさの向上のために早期問題解決を図ることを言及している。
詳細は、日本再生ビジョン(原文)をご参照ください。