IFRS財団が、中国および香港、マレーシアのIFRSの適用状況のプロファイルを更新した。
中国および香港については、香港の証券取引所に上場している中国本土企業におけるIFRSの使用について詳細な説明が追加された。中国本土に上場している中国企業はすべて、中国本土において中国会計基準(ASBE)を適用することが求められる。一方、中国本土に上場している中国企業が、香港市場にも上場する場合には、香港市場においてはASBE、IFRS、香港財務報告基準(HKFRS)のいずれかを選択して適用することができる。すなわち、中国企業が香港市場においてIFRSを適用することを選択した場合には、ASBEとIFRSの両方に基づく財務諸表を作成することになる。
2014年6月末現在、香港に上場している中国企業は296社であり、このうち、IFRSを選択して適用した企業は90社となっている。内訳は以下のとおり。
基準 |
企業数 |
企業数 % |
時価総額 (10億US$) |
時価総額 % |
IFRS |
90 |
30% |
841 |
69% |
HKFRS |
161 |
54% |
319 |
26% |
ASBE |
45 |
15% |
57 |
5% |
Total |
296 |
100% |
1,218 |
100% |
この他、米国上場、欧州上場のためIFRSを適用している中国企業も多数ある。
マレーシアでは、2014年9月2日に、マレーシア会計基準審議会(MASB)が、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」およびIAS第41号「農業」のアドプションを公表した。これにより、すべての公開企業にIFRSの適用が求められることとなった。マレーシアの公開企業の大多数は、2012年からIFRSを適用していたが、不動産開発業者および農業関連企業は、IASBにおける収益認識および果実生成型植物のプロジェクトが完了するまで、IFRSではなくマレーシアGAAPの適用が認められていた。これらの移行企業のIFRS強制適用日は2017年1月1日である。
詳細はIASBウェブサイトをご参照ください。