2014年3月25日、IASBは、IAS第1号「財務諸表の表示」の修正を提案する公開草案を公表した。
この提案は、IASBの開示イニシアチブにおける複数の短期プロジェクトの1つの結果に基づくものである。
2011年のIASBのアジェンダ・コンサルテーションの回答者の多くは、IASBが、開示を改善する方法を探索するために、現行のIFRSにおける開示の要求事項をレビューすることを求めていた。これを受けて、IASBは2013年に、財務情報の開示を改善することを目的として、複数のプロジェクトからなる開示イニシアチブを開始した。
本公開草案では、現行の表示および開示の要求事項に対する懸念に対応するため、また、企業が財務諸表の作成において判断力を行使できるようにするため、限定した範囲に焦点をあてたIAS第1号修正の公開草案を提案している。
修正案の内容は以下のとおりである。
・ IAS第1号の重要性の要求事項を明確にする。重要な情報を有していない過度の有用情報は、有害な影響を及ぼす潜在性があることを強調する。
・ 純損益及びその他の包括利益計算書と財政状態計算書の特定の科目を分解して表示することが可能であることを強調する。
・ 純損益及びその他の包括利益計算書と財政状態計算書において、企業が小計を表示しなければならない方法を示す要求事項を追加する。
・ 注記の表示の順番において、企業は柔軟性を有していることを明確にする。ただし、企業が注記の順番を検討するにおいて、理解可能性および比較可能性を考慮する必要がある。
・ 重要な会計方針を特定するため、IAS第1号における潜在的に有用ではないガイダンスを削除する。
詳細は、IASBウェブサイトご参照ください。