IASBは、2014年9月17日、「料金規制の財務上の影響の報告」のディスカッション・ペーパーを公表した。
多くの政府では、企業が行う特定の種類の活動について、その供給と価格設定を規制している。これらの活動は、通常、その法域において顧客に必要不可欠となるような財又はサービスに関連するものであり、輸送サービス、保険契約、ガス、電気、水道などの公共事業などが含まれる。料金規制の形態のなかには、企業が獲得できる収益および利得の額だけでなく、関連するキャッシュ・フローのタイミングにも重要な影響を及ぼすものもある。
本ディスカッション・ペーパーでは、原価回収とインセンティブ・アプローチの両方を含む料金規制の種類(「定義された料金規制」と呼ばれる)について説明している。さらに、IASBが識別したこの「定義された料金規制」の顕著な特徴が、財務上の影響が最も大きい料金規制の種類を十分に捉えているか、コメントを求めている。
ディスカッション・ペーパーでは、具体的な会計処理を扱っていない。その代わりに、料金規制活動に関するどの情報が、財務諸表利用者に最も有用であるか調査し、料金規制による財務上の影響を反映する最善の報告方法を決定する際に、IASBが検討する可能性のあるアプローチについてその概要を説明している。
また、IFRS第14号「規制繰延勘定」の表示と開示の規定が、このディスカッション・ペーパーのフィードバックを受けて将来開発されるIASBの提案内容の基礎となるべきかどうかコメントを求めている。IFRS第14号は、IASBが本プロジェクトを終了させるまでの暫定的な措置として、2014年1月に公表された。
IASBは、料金規制の会計処理に関する、集中的な議論を開始する際の共通の出発点を構築するため、幅広く関係者のインプットを求めている。
コメント期限は2015年1月15日。
詳細はIASBウェブサイトをご参照ください。