IASBが、会計基準設定コミュニティとの相互協力憲章に合意

2014年05月08日

  2014年5月7日、IASBは、IASBと各国の会計基準設定主体、および会計基準設定主体国際フォーラム(IFASS)を代表する他の会計基準設定団体との協力に関する主要原則を確立する憲章を更新したことを公表した。

  当憲章で確立した原則は、国際会計基準設定の効率性と有効性を改善するよう作成されている。憲章は、

・ IASBの作業における国際会計基準設定コミュニティの重要性を改めて強調し、すべての関係者が共通の目標達成に向けて、開放性の精神で密接に協力しあい協働することが不可欠であるという前提を作っている

・ IASB、各国基準設定主体および他の会計基準設定団体のコミットメントと期待に関する共通理解を、協力に関する声明(statement of co-operation)として、記載している

・ 実務的な側面に焦点をあて、IASBと他の会計基準設定団体のスタッフとメンバーが協力して業務を遂行できるよう、最も注力すべき活動や手続上の事項を説明している

 

  憲章の「IFRSの適用及び維持(47~52)」では、会計基準設定主体が利害関係者の新基準の理解をサポートする際に、適用上の問題が特定される可能性について触れ、その場合には、会計基準設定主体はIFRSから逸脱するもしくは自国固有の解釈を提供するのではなく極力IASBをサポートすることを基本原則としている。各国のガイダンスの必要性が最小限となるようIASBや他の基準設定団体と協働すべきとして、IFASSや他の地域主体、状況に応じてIASB、と協力して対応すべきであると記載している。そうすることで、その問題が、IASBやIFRS解釈指針委員会に注目され早期解決につながる可能性もあり、また、限られた国における問題ではなく広範囲に渡る問題であるかどうかも判明することも述べている。法域固有の問題が生じる可能性は少ないとしたうえで、下記に限定した状況を除き、他の会計基準設定主体がIFRSの独自の解釈指針を作成することを自制することを記載している。

・ 他の会計基準設定主体が、リサーチを行いまた前述のプロセスを経たうえで、自国固有の状況に基づく固有の問題であると結論づけた場合、もしくは

・ 前述のプロセスでは適時な結論を出すことができないため、自国の暫定措置が必要な場合

  他の会計基準設定主体が解釈指針を発行する場合には、それがIFRSを誤って伝えるものではなく、また他に問題を生じさせないものであることを確認し、その方法としてIFASSの他の参加者に解釈指針案を配布することを例にあげている。

 

  なお、本憲章の合意事項は、2013年のIASBの会計基準アドバイザリー・グループ(IASBおよび会計基準設定コミュニティの代表者が技術的に対話する正式プラットホーム)の創設と整合するものである。

 

  詳細は、IASBウェブサイトをご参照ください。

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