IFRS財団が、Maystadt報告に対するコメントを公表

2013年12月09日

  IFRS財団は、Philippe Maystadt氏(EU委員Barnier氏の特別アドバイザー)による、国際会計基準に対する欧州連合(EU)の貢献を強化するミッションに関する最終報告にコメントをしました。IFRS財団は、本報告書の実現にむけて欧州経済財務相理事会(ECOFIN)および欧州委員会が検討を進めていることを認識しています。

 

  Maystadt氏のミッション遂行の過程で、IFRS財団は、欧州議会、EU連合理事会、EU委員会において、Maystadt氏自身をはじめとする多くの関係者と継続的にコンタクトを取ってきました。IFRS財団は本日、Maystadt氏の最終報告に公式にコメントします。主なコメントは下記のとおりです。

 

  IFRS財団は、

●  欧州連合(EU)の貢献がどのような組織の下でどのように運営されるかについては欧州機関が決定するものであると認識しており、それを尊重している。一方で、「欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)の変革」が選択された場合には、現在すでに十分に長いIFRSの検討過程がさらに長くなる可能性について懸念していることを強調したい。

  Maystadt報告書では、「EFRAGの変革」として、EFRAGの組織を補強すること、およびIASBの公開草案等のコメント期限を長くするようIASBに求める提案がなされているが、他国はコメント期限を守っていること、またIFRSの開発時間をこれ以上延ばすことで効率的なIFRSの開発が難しくなる懸念について見解を述べる。

●  Maystadt報告書において、基準ごとのアドプション・プロセスの維持を支持していることを歓迎する。一方で、国際的な規範から逸脱するような変更を、欧州の会計基準に導入する可能性のある欧州のエンドースメント・メカニズム(より柔軟なエンドースメント・メカニズム、すなわちEUに便利な適合基準を作成するようなメカニズム)を導入するリスクについて警告する。

●  金融安定化および経済成長という目標について、IFRS財団がサポートすることを強調するとともに、会計基準であるIFRSが資本市場に透明性をもたらすことで、金融安定化と経済成長の双方に貢献すると信じている。

  Maystadt報告は、IFRSの採用に関する新しい規準として、金融の安定化を危険にさらさないこと、および欧州域内の経済的発展を阻害することがないことを導入する提案をしているが、IFRS財団は、会計基準がこれらの目的の手段としてあるべきものではないと考える。

 

  詳細は、IASBのウェブサイトをご参照ください。

ページトップへ