欧州証券規制当局委員会(CESR)は、2009年11月2日、欧州の上場金融機関96社(銀行・保険会社)の2008年財務諸表を調査し、金融商品に関する開示義務に対する欧州金融機関の遵守状況の分析結果を公表しました。それによると、評価技法の使用や特別目的事業体(SPE)との関係に関する分野では、相当な割合の企業が開示義務を遵守していないことが判明しました。
以下は、CESRのプレスリリースからの抜粋です。
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多くの企業が公正価値の決定に際して評価技法を用いている場合には、適用した手法を開示したものの、20%の企業がその開示をしておらず、また、40%の企業が、公正価値の感応度を開示していなかった。
さらに、半数の企業が、「当期利益で認識されていない公正価値の見積り」の差異総額、又は期首残高と期末残高との調整表を開示していなかった。
対照的に、3分の1の企業が推奨される実務に従い、評価技法が観察不能な重要な情報に基づいているかどうかを開示し、関連する場合には、当該観察不能な情報の源についての記述を含めた。さらに、当時は「公正価値ヒエラルキー」に基づく開示は義務ではなかったが、半分以上の企業が適用した。
80%の企業が、2008年に金融商品の減損損失を計上したが、それらのうち5%が売却可能に分類される持分金融商品に関し、減損損失が発生したという客観的な証拠の存在を決定するために使われる規準を会計方針に開示していなかった。
SPEを有する企業のうち20%が、そのSPEがどのように支配されているかに関する詳細を開示しておらず、同様に20%が、金融資産の所有に関する重要なリスク及び経済価値のすべてが他の事業体に移転したことをどのように決定したかの詳細を開示していなかった。
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CESR、欧州金融機関によるIFRS第7号開示義務の遵守状況に対する分析結果を公表
2009年11月02日