国際会計士倫理基準審議会(The International Ethics Standards Board for Accountants:IESBA)は、2022年4月11日付けでIESBA倫理規程の改訂(上場事業体及び社会的影響度の高い事業体の定義)を公表しました。この上場事業体及び社会的影響度の高い事業体の定義は、最近の非保証業務及び監査業務の依頼人からの報酬に関する国際独立性基準(International Independence Standards:IIS)を補完するものです。
原題:Revisions to the Definitions of Listed Entity and Public Interest Entity in the Code
本改訂は、事業体が社会的影響度の高い事業体(PIE)である場合に、監査人の独立性に関する利害関係者の高い期待に応えるために、監査において追加的な独立性に関する要求事項の対象となるべきPIEとして、より幅広いカテゴリーの事業体を明記しています。また、各国の多様な状況を認識するため、PIEの定義を高いレベルでグローバルに拡大する一方で、規制当局、各国の基準設定主体及びその他の関連する現地機関に対し、広義の定義を各国・地域の特殊性に合わせて調整するためのガイダンスを提供するという新しいアプローチを採用しています。今回の改訂は、特に以下の点を重視しています。
・ PIEの財務諸表監査に対する独立性に関する要求事項の包括的な目的を明示
・ 事業体の社会的影響度のレベルを決定する際に考慮すべき事項に関するガイダンスを提供
・ Listed entityという用語を、publicly traded entityという新たな用語に置き換え、後者の定義を規定
・ PIEに該当する具体的な事業体を定義する上で、IESBA倫理規程の採用に責任を持つ現地機関が果たす重要な役割を認識し、PIEのカテゴリーを適切に改善(refine)するとともに、現地の環境に関連する他のカテゴリーを追加することを奨励
・ PIEに対する独立性に関する要求事項を適用している場合に、その旨を公表することを会計事務所等に求める透明性に関する要求事項を導入
本改訂の適用時期は、2024年12月15日以後開始する事業年度の財務諸表監査からとされています(早期適用奨励)。
詳細はIESBAウェブサイトをご参照ください。