4月18日付けで英国競争・市場庁(CMA、Competition and Market Authority)は「法定監査サービス市場の研究 -最終報告書(Statutory audit services market study -Final report)」を公表しました。 本最終報告書は以下のような構成となっております。
(1)1章では全体を要約し、構成を述べている。
(2)2章では監査品質について確認した情報、市場に関する情報を提供している。
(3)3章では検討した事項、具体的には監査人の選定と監視、競争と選択、競争への監査事務所の参入障壁、回復、インセンティブと監査事務所の構造について順に述べている。
(4)4章から8章では法定監査市場改善の実現のための勧告を記している。9章では単なる市場調査の参考とならないように、決定の詳細を述べている。
上記(4)の勧告について、以下の4つが示されています。
・監査委員会(audit committee)による監査人の選解任権限、監査人への監視機能の強化等の検討を行うこと。
・大企業には少なくとも4大監査事務所(Big4)以外の1事務所を含む強制的な共同監査を実施すること、大企業の監査については規制当局がコミットする形でのピアレビューを課すこと、Big4の失敗の影響を減少させる方策を行うこと。
・Big4の監査業務部門と非監査業務部門を分割すること。
・新たな機関による5年ごとの改革の進捗のレビューを行うこと。
なお、報告書原文は以下から入手可能です。
CMA報告書リンク:
https://www.gov.uk/cma-cases/statutory-audit-market-study