排出権取引制度(ETS)に関するIPSASBスタッフによる背景説明文書の公表について

2016年12月22日

  国際会計士連盟(IFAC)の国際公会計基準審議会(IPSASB)のスタッフによる排出権取引制度(ETS)に関する背景説明文書(Emissions Trading Schemes Staff Background Paper)が2016年12月14日付けで公表されましたのでお知らせします。

 

【本背景説明文書の概要】

  この背景説明文書は、世界各国・地域における排出権取引制度(ETSs)及び政府が行う他の市場介入のうち、温室効果ガスの排出削減についてまとめたものです。主な内容は以下のとおりです。

・ETSの種類と比較

・各制度が政府に与えている影響

・ETSと税制との比較

 

  この公表物は、IPSASBのスタッフが公表したものであり、正式文書ではなく、IPSASBのメンバーの見解を表すものでもありません。

 

【IPSASBにおけるETSに関するプロジェクトの経緯】

  IPSASBでは、国際会計基準審議会(IASB)と連携して公的部門におけるETSの会計処理に関する基準化プロジェクトを進めていました。この基準化プロジェクトは、IASBの汚染価格プロジェクト(ETS参加者の会計)に対応し、政府側(ETS管理者側の会計)を扱うものですが、IASBにおける作業が調査期間中となったため、IPSASBにおいてもプロジェクトを凍結しました。

  本文書は、将来のプロジェクト再開に備えて、これまでに調査を行った各国の排出権制度と、それらの制度(又は政府の介入)が各国の政府に及ぼしている影響をまとめた文書です。会計処理上の具体的な考察までは立ち入っておらず、入り口段階のため、スタッフ文書(非公式文書)という扱いになっています。

 

■本背景説明文書は、国際会計士連盟のウェブサイトから入手可能です。

http://www.ifac.org/publications-resources/emissions-trading-schemes-staff-background-paper

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