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監査基準委員会報告書810「要約財務諸表に関する報告業務」及び監査基準委員会報告書(序)「監査基準委員会報告書の体系及び用語」の一部改正の公表について

掲載日
2016年01月26日
号数
810号
常務理事 住田 清芽

  日本公認会計士協会(監査基準委員会)では、監査基準委員会報告書810「要約財務諸表に関する報告業務」について、我が国の実務上の指針として整備すべく検討を行ってまいりました。

  このたび、公開草案に寄せられたコメントの検討を終了し、平成28年1月13日常務理事会の承認を受けて、平成28年1月26日付けで公表しましたのでお知らせいたします。

  公開草案から変更した主な点は以下のとおりです。

・第16項:監査済財務諸表に対する監査報告書において、限定意見を表明している、又は強調事項区分若しくはその他の事項区分を設けている場合、要約財務諸表に対する報告書には、それらが要約財務諸表に与える影響をそれぞれ区別なく含めなければならないとしていたが、強調事項又はその他の事項の場合は、要約財務諸表に影響を及ぼさないことも想定されることから、影響を及ぼすときにその影響を記載することを求める旨修正した。

・第25項及びA21項:企業が要約財務諸表を作成しているが、監査基準委員会報告書810の報告業務を監査人が実施しない場合、企業が開示書類において、監査人に関する記述及び要約財務諸表が監査済財務諸表を基礎として作成されているという事実を記載するとき、要約財務諸表に対して監査人が報告書を発行しているという印象を与えるような記述が含まれていないか確認することが求められる旨の記載を明瞭化した。また、監査人が要約財務諸表に関する報告業務を行っていない旨を開示書類に記載するように経営者に要請することが適切なことがある旨を記載したA21項を追加した。

・A17項:比較情報の取扱いについて、A16項とA17項を整理し、A16項に、要約財務諸表において比較情報が省略されている場合の留意点をまとめ、A17項において、監査人の交代があった場合又は前年度の財務諸表が監査されていない場合、前年度の財務諸表の監査を実施していない当年度の監査人は、要約財務諸表に含まれる比較情報を本報告書の報告対象に含めることはできないことを明記した(文例7参照)。

・付録文例2:経営者が適用される要約の基準を策定する場合の要約の基準の記載例を追加した。

・付録文例6:特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された監査済財務諸表を基礎として要約財務諸表が作成されている場合の報告書文例を追加した。

・付録文例7:要約財務諸表に比較情報が含まれている、以下の三つの場合に付すその他の事項区分の記載例を文例として追加した。

-監査人の交代があった場合で、前年度の要約財務諸表に対して前任監査人が監査基準委員会報告書810に基づく報告業務を実施している場合

-監査人の交代があった場合で、前年度の要約財務諸表に対して前任監査人も監査人のいずれも監査基準委員会報告書810に基づく報告業務を実施していない場合

-前事業年度の財務諸表が監査されていない場合

  公開草案に寄せられた主なコメントの概要とそれらに対する対応は、「監査基準委員会報告書の公開草案に対するコメントの概要及び対応について」に記載しておりますのでご参照ください。

  また、監査事務所において当該業務に係る品質管理の方針及び手続を整備する必要があることから、適用時期を以下のように定めています。

・平成29年1月1日以後契約する報告業務から適用する。

・本報告書の全ての要求事項が適用可能である場合には、平成28年1月26日以後に契約する報告業務から適用することができる。

 

  なお、監査基準委員会報告書810及び同日に公表しました保証業務実務指針2400「財務諸表のレビュー業務」の公表に伴い、監査基準委員会報告書(序)「監査基準委員会報告書の体系及び用語」の修正を行っておりますので、併せてご参照ください。

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