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「業種別委員会実務指針第72号「生命保険会社における任意の期中レビューに係る実務指針」」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

掲載日
2024年08月15日
号数
第72号
常務理事 菅谷 圭子

 日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2024年8月9日に開催された常務理事会の承認を受けて、「業種別委員会実務指針第72号「生命保険会社における任意の期中レビューに係る実務指針」」を公表いたしましたので、お知らせします。
 生命保険会社は、保険業法施行規則第59条の6により、四半期ごとに、保険業法第111条第6項に規定する保険契約者その他の顧客が当該保険会社及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項のうち特に重要なものの開示に努めなければならないとされております。一部の生命保険会社は、この努力義務の履行のために、自主的に四半期連結財務諸表を開示しており、この四半期連結財務諸表について、自主的にレビューの実施を会計監査人に依頼している生命保険会社もあります。
 従前、このような任意の四半期レビューは、保証業務実務指針2400「財務諸表のレビュー業務」(以下「保証業務実務指針2400」という。)に基づく実務指針である保証業務実務指針2450「生命保険会社における任意の四半期レビューに係る実務指針」(以下「保証業務実務指針2450」という。)に従って実施されてきました。
 今般の金融商品取引法に基づく四半期開示制度の見直しに伴い、期中レビューに関する実務指針が整理され、年度の財務諸表の監査を実施する監査人が行う、金融商品取引法における中間財務諸表に対するレビュー以外の期中レビューに関する実務の指針として、期中レビュー基準報告書第2号「独立監査人が実施する期中財務諸表に対するレビュー」(以下「期中レビュー基準報告書第2号」という。)が新設されたことから、生命保険会社における任意の四半期レビューに係る実務指針を見直し、期中レビュー基準報告書第2号に基づく実務指針として新たに取りまとめたものです(実質的には、保証業務実務指針2450の内容を保証業務実務指針2400に基づく実務指針から期中レビュー基準報告書第2号に基づく実務指針に改めた形となります)。
 なお、本実務指針の公表をもって、保証業務実務指針2450は廃止いたします。


 本実務指針の主な内容は次のとおりです。

  • (1) 財務報告の枠組みの考慮(第8項から第12項)
  •  生命保険会社の期中財務情報の開示においては、生命保険協会が作成した第1・第3四半期発表様式モデル(以下「四半期報告モデル」という。)を参考として開示を行う実務が見られることから、四半期報告モデルについて検討した上で、四半期報告モデル及び我が国において一般に公正妥当と認められる四半期財務諸表に関する会計基準(以下「四半期財務諸表会計基準」という。)に準拠して作成された四半期連結財務諸表は特別目的財務諸表に該当すると整理した。
    • (2) 四半期連結財務諸表に対する期中レビュー報告書(第13項から第15項及び付録)
    •  四半期報告モデル及び四半期財務諸表会計基準に準拠して作成された特別目的の財務諸表たる生命保険会社の四半期連結財務諸表に対して、任意の期中レビューを実施し、無限定の結論を表明する場合の期中レビュー報告書の文例を示した(期中レビュー基準報告書第2号の付録2(期中財務諸表に対する期中レビュー報告書の文例)の文例6(特別目的準拠性)を参考として作成)。
       保証業務実務指針2450においては、生命保険会社が任意で四半期連結財務諸表を作成する場合に適用されると考えられる主な財務報告の枠組みを分類した上で、それぞれの財務報告の枠組みに準拠して作成された四半期連結財務諸表に対する任意のレビューを実施する場合のレビュー報告書の文例を示していたが、本実務指針においては、上述のとおり実務で行われている四半期報告モデル及び四半期財務諸表会計基準に準拠して作成された四半期連結財務諸表に対するレビューに係る期中レビュー報告書の文例のみを示すこととした。

       本実務指針は、2024年4月1日以後開始する連結会計年度に係る四半期連結財務諸表の期中レビュー業務から適用されます。
       本実務指針の検討に当たっては、2024年7月19日から8月1日までの間、草案を公開し、広く意見を求めました。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表いたしますので、ご参照ください。

      以  上 

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