「業種別委員会実務指針第39号「銀行等金融機関における財務報告に係る内部統制の監査の留意事項(中間報告)」の改正について」の公表について
- 掲載日
- 2024年04月30日
- 号数
- 第39号
日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2024年4月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「業種別委員会実務指針第39号「銀行等金融機関における財務報告に係る内部統制の監査の留意事項(中間報告)」の改正について」を公表いたしましたので、お知らせします。
内部統制の実効性の向上を図るため、2023年4月に企業会計審議会から「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」が公表され、さらにこれを踏まえて、同年7月28日付けで財務報告内部統制監査基準報告書第1号「財務報告に係る内部統制の監査」が改正され、同年9月に財務報告内部統制監査基準報告書第1号周知文書第1号「「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」(2023年4月)等を受けた内部統制監査上の留意事項に関する周知文書」が公表されました。本改正は、これらの内容を銀行等金融機関の内部統制監査における留意事項に反映させるため、業種別委員会実務指針第39号「銀行等金融機関における財務報告に係る内部統制の監査の留意事項(中間報告)」の見直しを行ったものです。また、今回の改正に際して、監査基準報告書及び関連する公表物の起草方針に基づいた構成への組替えや、金融検査マニュアルが廃止されたことに伴う見直しも併せて行いました。
内容に係る主な変更点は次のとおりです。
- (1) 全般
- 監査基準報告書及び関連する公表物の起草方針に基づいた構成に組み替えた。
- (2) 第6項(背景)
- 今回の改正の経緯を説明する項を追加した。
- (3) 第12項(重要な事業拠点の選定)
- 重要な事業拠点の選定指標として、基本的には、経常収益が用いられるが、監査人は、事業活動の状況等に応じて適切な指標が用いられているかどうかを判断することが重要である旨を加筆した。
- (4) 第15項(重要な事業拠点における業務プロセスの識別)
- 「経営環境によって重要な事業が変化することもあることから、預金、貸出金、有価証券の3勘定のみを機械的に選定するのではなく、銀行等金融機関の置かれた環境や事業の特性等に応じた実態に即して「企業の事業目的に大きく関わる勘定科目」を経営者が適切に判断して選定しているかを検討することが重要である」と加筆修正した。
- (5) 第18項(個別に評価対象に追加する業務プロセスの識別) ア
- デリバティブ取引、複合金融商品に係る取引、金融資産の流動化又は証券化取引といった取引以外でも、例えば、複雑又は不安定な権限や職責及び指揮・命令の系統の下での事業又は業務を行っている場合について、重要な虚偽記載が発生する可能性が高いと判断した場合には、当該事業又は業務は、個別に評価対象に追加する業務プロセスに該当するものと考えられる旨を加筆した。
- (6) 第18項(個別に評価対象に追加する業務プロセスの識別) ウ
- 非定型・不規則な取引の例として、デット・エクイティ・スワップ及びデット・デット・スワップを挙げていたが、これを削除し、非定型・不規則な取引を選定する際には、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」Ⅱ.2.(2)②ロにおいて、リスクが発生又は変化する可能性があるとして例示されている状況についても留意する旨を加筆した。
- (7) 旧第16項(全社的な内部統制の評価項目)
- 金融検査マニュアルが既に廃止されたことに伴って、本項を全て削除した。
本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2024年3月29日から2024年4月11日までの間、草案を公開し、広く意見を求めました。その結果、ご意見は寄せられませんでしたので、草案のとおり公表いたしました。
以 上
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