「循環取引に対応する内部統制に関する共同研究報告」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について
- 掲載日
- 2024年04月08日
昨今、上場企業による相次ぐ会計不正では、不正を隠蔽するために巧妙かつ念入りに仕組まれたスキームを伴う事例が数多く見受けられます。特に循環取引については、取引先が実在し、資金決済は実際に行われ、会計記録や証憑の偽造又は在庫等の保有資産の偽装が徹底して行われる等の特徴が挙げられ、正常取引を装うものが多いため、通常の監査業務の中でこれらを発見することは困難なケースも少なくありません。
日本公認会計士協会では、これまでも循環取引に関して会長通牒での注意喚起、その他注意喚起のためのお知らせ等を発信してまいりましたが、依然として近年も循環取引による不正が発生している状況にあります。このような背景の下、循環取引への対応に関してより具体的に検討を行うことを目的とし、循環取引に対応する内部統制及び循環取引の防止や発見に資するテクノロジーの活用という観点から調査研究を進めてまいりました。
当該調査研究の一環として、当協会(監査・保証基準委員会)では、公益社団法人日本監査役協会及び一般社団法人日本内部監査協会と共同により2024年4月8日付けで「循環取引に対応する内部統制に関する共同研究報告」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」を公表しましたのでお知らせいたします。
本研究報告の取りまとめに当たっては、2023年11月27日から12月27日までの間、草案を公開し、広く意見を求めました。公開草案に寄せられたコメントの概要とその対応も併せて掲載しておりますのでご参照ください。
本研究報告は、以下を目的としております。
- 監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会、内部監査人、外部監査人等の監査の関係者を始め、経営者、従業員など循環取引の当事者となる可能性のある者も含めた全ての関係者の循環取引に関連する組織、内部統制についての認識を深める。
- 上記の全ての関係者がそれぞれの立場、会社等との関わり方、また、会社等の規模、取引の複雑性、性質にかかわらず、循環取引の防止及び発見に関して参考となる情報を提供する。
本研究報告については、公益社団法人日本監査役協会のウェブサイト(http://www.kansa.or.jp )及び一般社団法人日本内部監査協会のウェブサイト(https://www.iiajapan.com/leg/ )においても同時に公表されております。
なお、循環取引の防止や発見に資するテクノロジーの活用の観点については、2024年4月8日付けで監査基準報告書240研究文書第1号「テクノロジーを活用した循環取引への対応に関する研究文書」を公表しましたので、こちらも併せてご参照ください。
以 上
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