専門情報

法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」 の改正

掲載日
2023年04月21日
号数
1号
常務理事 西田 俊之

 日本公認会計士協会(法規・制度委員会)は、2023年3月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、「法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」の改正」を、同日付けで公表いたしましたのでお知らせいたします。

 本研究報告の主な改正内容は、次のとおりです。


1.倫理規則改正における報酬関連情報の開示への対応

 2022年7月に改正された倫理規則において、報酬関連情報の開示が求められることから、各監査約款における「守秘義務」に関する条文を改正しました。


 <改正箇所>

  ・監査約款における「守秘義務」に関する条文(様式1から様式12まで)


2.倫理規則改正における独立性に関する規定の強化への対応

 上記倫理規則の改正に伴い、非保証業務の提供に関する独立性に関する規定が強化されたことに伴い、各監査約款における「独立性の保持に関する情報提供」に関する条文を改正しました。


 <改正箇所>

  ・監査約款における「独立性の保持に関する情報提供」に関する条文(様式1から様式12まで)


3.「監査責任者(指定社員又は業務執行責任者)以外の主な従事者の氏名及び資格」の削除

 従前までの監査(及び四半期レビュー)契約書・レビュー契約書・合意された手続業務契約書には、「監査責任者(指定社員又は業務執行責任者)以外の主な従事者の氏名及び資格」欄が記載されていましたが、監査契約締結時においては、監査責任者以外の氏名や資格を記載する重要性は低いと考えられるため、項目ごと削除しました。


 <改正箇所>

  ・監査(及び四半期レビュー)契約書・レビュー契約書・合意された手続業務契約書(様式1から様式13まで)


4.「本業務の見積時間数」における肩書の削除

 従前までの監査(及び四半期レビュー)契約書・レビュー契約書・合意された手続業務契約書における「本業務の見積時間数」には、監査責任者(指定社員又は業務執行責任者)・公認会計士・その他の各肩書ごとの時間数を記載する様式としていました。
 しかしながら、本条項は、監査責任者(指定社員又は業務執行責任者)・公認会計士・その他の区分で記載することを推奨するものではなく、監査チームの実情に応じた記載ができることを明確にするため、肩書ごとの記載を削除することとしました。


 <改正箇所>

  ・監査(及び四半期レビュー)契約書・レビュー契約書・合意された手続業務契約書(様式1から様式13まで)


5.その他

 監査基準報告書等の改正に伴い、本研究報告で参照している監査基準報告書等の名称及び項番号等の適合修正を行いました。なお、本研究報告の解説の中では、2023年7月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表の監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から適用される内容にも言及しておりますが、本研究報告で記載している監査及び四半期レビュー契約書の作成例自体には影響はありませんので、2023年4月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表の監査及び四半期レビュー契約の締結から使用可能です。



 <改正箇所>

  ・本研究報告全体


 法規・制度委員会研究報告第1号に示している各種様式は、契約締結に際して留意すべき事項や内容等について例示し、会員の業務の参考に資することを目的とするものです。そのため、利用に際しては、適宜、会員の判断により追加・削除されることを想定している点にご留意ください。


以  上 

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