英国の企業会計等に関する規制当局のFRC(財務報告評議会)は、IFRS第3号「企業結合」(2004年改訂版)の英国企業の適用状況を調査し、その結果を公表いたしました。2008年から2009年にかけてFRCが実施したインタビューによると、企業は、企業合併及び買収の会計をコストがかかる上、適用が難しいと感じており、他方、投資家は適用した結果である情報を有用だと感じていないことが分かったが、これらの原因が、IFRS第3号の規定の適用が不十分なためか、又は、たとえ規定が適切に適用されていたとしても提供される情報が有用でないのか、このインタビューでは不明であったとのことで、それらを明らかにするためにこの調査が実施されました。
この調査は2009年後半に実施され、2008年に完了した20の企業買収(いずれも発行体にとっては重要性がある)について、ビジネス・レビュー(文章による事業の説明)で記載される情報の質、並びに監査済財務諸表に計上された個々の無形資産及びのれんの開示を評価したものです。
この調査結果は、企業が規定の内容についてよく理解していないことと、ブランドや顧客関係等の無形資産の評価が複雑である、といった理由から、IFRS第3号の適用が不十分であった可能性があることを示しています。
FRCは、今後18カ月の間に、投資家その他の利害関係者とのインタビューをさらに実施し、年次報告書や財務諸表における企業結合に関する情報の質が改善し、有用になったかどうかについて評価するとしております。さらに、企業と共同で、遵守コストや資産評価実施の複雑さが増加したか、減少したかをより良く理解する活動も行うとしております。その結果は公表され、IASBが行う適用後レビューへのフィードバックとしてIASBに提供することが示されています。
なお、IFRS第3号は、2008年1月に改訂されており、改訂IFRS第3号は2009年7月1日以降開始する事業年度から適用されます。
詳細は、FRCのウェブページをご覧ください。
⇒FRCウェブページ
英FRC、IFRS第3号の適用状況に関する調査結果を公表
2010年01月12日