2019年2月27日に、公認会計士会館にて、国際会計士連盟(IFAC)の中小事務所委員会(SMPC)のメンバーを招待し、「中小事務所フォーラム」を開催いたしました。IFAC関係者及び日本公認会計士協会所属の中小監査法人・個人事務所等から多くの参加がありました。
本フォーラムでは以下の4つのテーマについて、講演・パネル・ディスカッションが行われました。
① IFAC・中小事務所委員会(SMPC)の活動とリソース
IFAC・SMPCのMonica Foerster 委員長から、SMPCの活動内容として、世界中の中小事務所や中小企業の声を代弁して監査や倫理規程の基準設定への意見発信を行っていること、また監査のためのツールや論文などを、IFACのウェブサイト“Global Knowledge Gateway”に寄稿していることなどが伝えられました。
② 監査報告とKAM、複雑ではない企業の監査
主に、監査上の主要な検討事項(KAM)について、国際監査・保証基準審議会(IAASB)副議長のFiona Campbell氏が講演しました。
また、KAMについて、Campbell氏や日本公認会計士協会中小事務所等施策調査会委員長の南成人氏らを交えて、基準設定の側面、オーストラリア、マレーシア及びドイツなどの先行事例や経験の共有を図るためのパネル・ディスカッションを行いました。
③ 監査事務所の強制ローテーションと倫理規程
監査事務所の強制ローテーションについて、ヨーロッパや南アフリカの制度の紹介の後、パネル・ディスカッションを行いました。また、アメリカがなぜ監査事務所の強制ローテーション制度を導入しなかったのか、アメリカ代表のSMPC委員であるGeorge Willie氏から説明がありました。
④ 米国公認会計士協会(AICPA):電子監査調書とサイバー・セキュリティ
SMPCのテクニカル・アドバイザーであるCarl Peterson氏から、AICPAの監査調書の電子化に関するIT企業との協業の取組み及びサイバー・セキュリティに関するAICPA所属会員への支援策についてプレゼンテーションがありました。
本フォーラムの概要については、当協会の機関誌「会計・監査ジャーナル」への掲載を予定しております。