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会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」、金融商品会計に関するQ&A及び同4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」の改正について

掲載日
2019年07月04日
号数
4,14号
常務理事 湯川 喜雄

 日本公認会計士協会(会計制度委員会)では、2019年6月13日に開催されました常務理事会の承認を受けて、会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」(以下「金融商品会計実務指針」という。)、金融商品会計に関するQ&A(以下「金融商品会計Q&A」という。)及び同4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」(以下「外貨建取引等実務指針」という。)を2019年7月4日付けで公表しましたのでお知らせします。

 

1.改正の背景

 企業会計基準委員会(以下「ASBJ」という。)において、主に金融商品の時価の算定に関するガイダンス及び開示に関して、国際的な会計基準との整合性を図るための検討が行われ、その結果、ASBJから当協会に対し、関連する会計制度委員会報告等として、外貨建取引等実務指針、金融商品会計実務指針及び金融商品会計Q&Aの改正の検討の依頼がありました。

 本改正は、当協会による検討の結果、金融商品会計実務指針等の改正を行うものです。

 

2.改正内容

 金融商品会計実務指針等の主な改正内容は、以下のとおりです。

(1) 時価の算定に関する取扱い

 金融商品の時価の算定に関する取扱いについては、ASBJが公表した時価算定会計基準で定めることとされたため、金融商品会計実務指針等における定めは削除することといたしました。

 

(2) その他有価証券の決算時の時価としての期末前1か月の市場価格の平均に基づいて算定された価額の取扱い

 時価の定義の変更に伴い、金融商品会計基準におけるその他有価証券の期末の貸借対照表価額に期末前1か月の市場価格の平均に基づいて算定された価額を用いることができる定めについては、その平均価額が改正された時価の定義を満たさないことから削除されています。これに併せ、金融商品会計実務指針においても、同様の規定を削除することといたしました。ただし、その他有価証券の減損を行うか否かの判断については、期末前1か月の市場価格の平均に基づいて算定された価額を用いることができる実務上の取扱いを継続しております。なお、この場合であっても、減損損失の算定には期末日の時価を用いることとしております。

 また、上記の取扱いに併せ、外貨建取引等実務指針において時価として期末前1か月の市場価格の平均に基づいて算定された価額を用いる場合の換算についての取扱いも削除することとしました。

 

(3) 時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券等の取扱い

 時価算定会計基準において、時価を把握することが極めて困難な場合は想定されないため、当該取扱いを削除することといたしました。ただし、改正金融商品会計基準にて、市場価格のない株式等に関しては、たとえ何らかの方式により価額の算定が可能としても、それを時価とはしないとする従来の考え方を踏襲することとされております。

 

3.適用について

 改正金融商品会計基準を適用する連結会計年度及び事業年度から適用することとしております。

 本改正の取りまとめに当たっては、2019年1月18日に公開草案を公表し、同年4月5日まで広くコメントを募集しました。公開草案に寄せられたコメントの書面及びコメントに対する当協会の対応を併せて公表いたします。なお、コメントの書面の公表につきましては、予めコメント提出者の承諾を得ております。

 

【参考】

 ASBJより企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等が公表されておりますので、リンク先のASBJのウェブサイトをご参照ください。 

 

以  上

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