専門情報

農業信用基金協会の監査契約受嘱に当たっての留意事項について

掲載日
2005年11月10日
常務理事 佐竹 正幸
 農業信用保証保険法の改正に伴い、農業信用基金協会(以下「基金協会」という。)に対する公認会計士又は監査法人による法定監査(以下「基金協会監査」 という。)が平成17年度より導入されたことを受けて、既に都道府県ごとに設置されている基金協会との監査契約受嘱に当たっての検討が進められていること と存じます。
 こうした中、会員各位におかれましては、下記に掲げるような基金協会監査の実施に関する特有の事項を十分踏まえ、監査上のリスクについて慎重にご検討の上監査契約を受嘱いただきますようお願いいたします。
 なお、今後とも当協会としても、必要となる基金協会監査に関する実務指針について検討する予定であります。



  1. 平成17年度の監査の取扱いについて
     基金協会監査の適用初年度である平成17年度においては、基金協会と公認会計士又は監査法人との間の監査契約の締結が年度途中になります。そのため、期 首残高の妥当性の検証等の必要な監査手続が実施できない可能性があり、それを踏まえた監査報告書を作成する可能性があることに留意する必要があります。


  2. 職業的専門家としての正当な注意について
     「農業信用基金協会の事業報告書、貸借対照表及び損益計算書並びに計算に関する命令」(平成17年3月31日内閣府・農林水産省令第6号)附則におい て、債務保証損失引当金等についての当分の間の取扱いが定められております。とりわけ、債務保証損失引当金の算定に当たっては、農業協同組合等関係金融機 関が保有する被保証者の財務状況、返済能力等の情報について提供を受け、これを利用することとなります。 監査人としては、当該情報の信頼性自体の保証 (監査)を行うものではないものの、当該情報の信頼性・信憑性について職業的専門家として正当な注意を払う必要があることに特に留意する必要があります。


  3. 農業信用基金協会特有の会計処理について
     事務ガイドライン(「農業信用基金協会の監督に当たっての留意事項について」(平成17年6月13日最終改正、金融庁監督局長・農林水産省経営局長)) においては、求償権償却引当金、保証責任準備金及び債務保証損失引当金について積立額が不足する場合には、その金額、理由及び解消方法を業務報告書の「農 業信用基金協会が対処すべき重要な課題」に記載することとされています。その結果、当該引当金等が積立不足となっている財務諸表が作成されることも想定さ れます。 監査人には、基金協会監査が法定化された趣旨を十分に斟酌し、一般に公正妥当と認められる会計基準に照らし意見形成を行うことが要求されること に留意する必要があります。


  4. 十分な監査時間の確保について
     基金協会監査が法定化された趣旨に応え、かつ監査の品質を確保するためには、必要かつ十分な監査時間を確保することが当然に求められます。したがって、 会員各位の監査契約受嘱に当たっては、各都道府県の基金協会の業務内容及び規模並びに内部統制組織の整備状況等を十分に把握した上で、必要な監査時間を見 積もることが不可欠であることに留意する必要があります。
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