「銀行等金融機関の資産の自己査定に係る内部統制の検証並びに貸倒償却及び貸倒引当金の監査に関する実務指針」の一部改正
- 掲載日
- 1999年04月30日
- 号数
- 4号
本報告は、近時銀行の破綻が相次ぎ、金融の再生が強く求められる中で、平成9年4月に公表した4号報告が早期是正措置後の環境の変化に十分に対応できていないのではないかとの批判に応え、また、金融の健全化・再生に関する諸立法、貸倒償却・引当に関する会計基準の整備等監査環境の変化に対応するものであります。更に、特定海外債権引当勘定についても、カントリーリスクの適切な評価基準の整備とその評価に基づく適切な引当金の計上が当局の事務ガイドラインで明記されたことから、その計上に関する監査上の取扱いを作成することといたしました。なお、特定海外債権引当勘定に関する実務指針の作成は、当初4号報告の見直しとは別のプロジェクトとしてスタートしましたが4号報告に含めて記述することが適当と考えられたことから、4号報告の一部改正に取り込んだものであります。
貸倒償却・引当に関する会計基準の整備等に関する具体的な動きとしては、次の二つがありました。すなわち、本年1月に企業会計審議会から「金融商品に係る会計基準の設定に関する意見書」が公表され、貸倒見積高の算定に関する会計基準が整備されました。また、我が国の金融システムの安定と再生を図り、金融機関に対する内外の信頼を回復するために金融監督庁が設置した金融検査マニュアル検討会から「最終とりまとめ」が去る4月8日に公表され、償却・引当に関する考え方が示されました。4号報告の見直しに当たっては、これらの報告書の考え方を念頭に置き、それらと調和を図ることとしました。
改正後の4号報告は、平成11年4月1日以後開始する事業年度に係る監査(割引現在価値に基づいて貸倒引当金を計上する方法は、平成12年4月1日以後開始する事業年度に係る監査)から適用し、早期適用を妨げないこととしております。
この改正が今後の銀行等金融機関の償却・引当及びその監査実務の改善に寄与できれば幸いであります。
最後に、本報告については、関係各方面との意見調整を経たものであることを付言しておきます。
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