専門情報

国際会計士連盟パブリックセクター委員会研究報告第11号及び第14号の翻訳完了について

掲載日
2004年05月29日
号数
11,14号
 公会計委員会では、国際会計士連盟(IFAC)パブリックセクター委員会(PSC)からの公表物の翻訳を行っていますが、このたび、次の2つの研究報告の翻訳作業が完了しましたので、お知らせいたします。
 なお、紙幅の制約から、JICPAジャーナルには翻訳公表のお知らせのみを掲載させていただきました。

IFAC/PSC研究報告第11号「政府の財務報告−会計上の問題と慣行−」
 (Study11 Government Financial Reporting−Accounting Issues and Practices−:2000年5月公表)
[概 略]

 現金主義及び発生主義それぞれの会計基準で作成された情報がどのように効果的に利用者のニーズに合致するか、それぞれの会計基準で認識される財務上の要素についての説明、及びそれら要素に関連するいくつかの認識上と測定上の問題の議論が記載されている。
 はじめに、現金主義の財務諸表と伝統的な現金主義による歳出予算との関連性などの現金情報に関する便益、及び現金主義の情報の作成者並びに利用者が詳細な会計知識を必要としない事実について論じている。また、研究報告は、より複雑な情報が要望される場合の現金主義の限界についても論じている。
 次に、発生主義の長所と欠点を議論し、多様な国が発生主義を採用する理由についての説明を提供する。そこには、発生主義の下で認識される要素、つまり、資産、負債、純資産・持分、収入及び費用の説明が含まれている。
 さらに、政府財務諸表の作成、国連の国民勘定体系(SNA)に準拠した国家会計、及び国際通貨基金の政府財政統計(GFS)、これら3つの報告システム間の関係を説明し、これらの間の差異を検証している。

IFAC/PSC研究報告第14号「発生主義への移行」
 (Study14 Transition to the Accrual Basis of Accounting:Guidance for Governments and Government Entities:2002年4月公表)
[概 略]

 本研究報告は、国際公会計基準(IPSAS)に準拠して現金主義から発生主義へ移行する政府及び政府主体の参考となるよう取りまとめられたものである。
 現金主義から発生主義へ移行するには多様な経路が考えられ、本研究報告は、政府及び政府主体がどのような移行経路を考慮している場合にも有用であるように作成されている。また、移行の段階について自らの政府又は機関が既に取り組んで完了した分野と更なる作業が必要とされる分野を識別するための手段として研究報告を利用することを奨励する。
 なお、本研究報告は、その後に発行されたIPSASの適用項目の解説を含めるために定期的に改訂されることになっている。また、読者に対しては、それぞれの法域における実施上の戦略又は発生した問題の例も含めて特定論題に対する提案を呼びかけている。
 本研究報告は、主に次の4つの構成となっている。

・第1章から第3章は、全般的な計画及びプロジェクト管理問題を扱う。
・第4章及び第5章は、全般的な財務報告問題として、IPSASの役割、会計方針の選択、作成及び承認、並びに報告主体の定義及び識別に関係する問題を扱う。
・第6章から第8章は、財務構成要素として、資産、負債、収益及び費用の識別、認識、測定及び開示に要求される広範囲な段階について説明する。
・特定論題(第9章から第15章)は、2つの特定の国際公会計基準に関連した実施上の論題に焦点を当て、既存の国際公会計基準により取り上げられていないか、又は、一部分のみ取り上げている論題の選択に関連した指針を提供する。
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