<事業会社><会社役員>松橋香里さん(ルミナス・コンサルティング株式会社 代表取締役)

Q公認会計士試験合格後の略歴を教えてください

 もともとエンジニアとして資産評価や財務分析システムの設計・開発に携わっていましたが、公認会計士資格を取得して監査法人に入所しました。国際部の金融グループに所属し、大小様々な企業の監査や内部統制関連業務に携わりました。その後、投資会社の経営企画部長として管理部門の組織づくりや投資関連業務に、続いて成長段階の上場企業の執行役員として組織全体の設計や変革業務を行いました。2009年に起業して現在に至ります。

Q現在の仕事内容について教えてください

 国をまたいだ活動を行う企業、そして個人の方に向けたアドバイザリー業務が中心です。「枝葉よりも幹を重視」という原則主義のコンセプトに共感し、会計分野では創業時からIFRSを軸としたサービスを提供しています。近年ではM&Aや事業再編を含んだ組織変革のコンサルティングやマネジメント層へのコーチングなどの人材育成事業も営んでいます。家業や社外役員の仕事もしています。

Q公認会計士としての専門性が現在の業務にどのように活かされているか教えてください

 ファイナンス・アカウンティングという軸で事業会社、監査法人、金融と多くの業界に関与してきましたので、異なる業界、業種で仕事をする大変さを多少なりとも理解しているつもりです。状況に合わせてアウトプットの仕方を変化させることを意識するようになりました。現場の実務からマネジメントまでを経験して、現場で起きていることを肌感覚で理解できたことが現在の仕事で非常に役に立っています。

Q趣味でやっていることがありましたら教えてください

 スキーです。大人になってから始めましたが、パワーとバランス感覚の両方が必要なダイナミックなところが気にいっています。五感を使い自然の中をスピードにのって駆け抜けると仕事とは違った高揚感が得られますし、視野が広がり、新たな発想が生まれやすくなるのを感じます。何よりも、職業も年齢も様々なスキー仲間と全国各地で過ごす時間がとても楽しいです。忙しければ忙しいほど、私にはこうした時間が必要なようです。

Q仕事以外で大事にしていることはありますか

 人生の中で、すべての時間を自分のために使える時期は限られています。過去には仕事一色だった時期もありますが、現在はそのような状況にありません。仕事の時間のほか、家族との時間、一人の時間、仲間と過ごす時間、社会貢献の時間、睡眠時間、休憩の時間、趣味の時間、食事の時間、読書の時間…。限られた時間の中で今、自分は何を選ぶのか。やりたいことを確実に実現するために、やらないことを決めること、優先順位付けを心掛けています。やってみるとわかるのですが、始めるよりも止めることのほうが圧倒的に難しいです。

Q公認会計士を目指した経緯を教えてください

 もともと他の業種で専門職として働いていましたが、もう一つ専門性が加わったら見える景色が変わるだろうと思ったからです。実際にその通りでした。

Q座右の銘は何ですか

「人の行く裏に道あり花の山 いずれを行くも 散らぬ間に行け」
 綺麗な花を求めて山に行くならば、安易に人と同じ道を行くのではなく、誰も行かない道を進んでいくとよい。いずれにしても、綺麗な花が散る前に行きなさい。という意味の言葉です。人と同じことが出来ない天邪鬼な性格なので、この言葉に親近感を感じています。花の山を発見できるように様々な経験をしていきたいです。

Qキャリアビジョンを教えてください。また、キャリアを実現するための課題があれば教えてください

 キャリアとは、予め計画をたて目標に向かって突き進むようなものではないと考えています。人生には様々な選択肢がありますから。私には人や会社の良いところを見て、その良いところが社会で顕在化するように働きかけていきたいという思いがあります。そのために公認会計士資格をはじめとした知識や経験をどう使っていくのか、どうするのが自分や周囲、社会にとって良い結果をもたらすのかを私なりに考え行動しています。結果として思いも寄らぬところに自分が運ばれていくこともありますが、こうした経験の中から自身のキャリアが出来上がってくると考えています。

Q公認会計士試験志望者へのメッセージをお願いします

 今後ますます専門性が問われていく中、財務系の専門知識はどのような仕事をするにしても不可欠です。その高い専門性を有することを証明する公認会計士資格は社会の中で自身が貢献するための力強い武器になってくれるでしょう。
 特定の利害に偏らず、一歩引いた目線で客観的に物事を観察する態度はこの職業に特有の資質であり、だからこそ社会からの信頼へとつながる強みだと感じています。彩り豊かな公認会計士の世界でともに働きましょう。

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