企業会計審議会により定められた「監査基準」、「監査に関する品質管理基準」、「監査における不正リスク対応基準」及び公認会計士協会の「監査実務指針」をいう。
「監査基準」は、全ての公認会計士が財務諸表監査において準拠すべきもので、「監査の目的」「一般基準」「実施基準」「報告基準」により構成されている。
「監査に関する品質管理基準」は、公認会計士に、監査業務の質を確保するための基準を定めたものである。「監査における不正リスク対応基準」は不正による重要な虚偽表示のリスクに対応した監査手続を明確化するとともに、一定の場合には監査手続をより慎重に実施することを求めている。「監査実務指針」は「監査基準」、「監査に関する品質管理基準」、「監査における不正リスク対応基準」に対応したより具体的な指針であり、「実務指針」と「委員会報告」等からなる、監査実施局面の様々な実務的な対応を示したものである。公認会計士は、「監査基準」、「監査に関する品質管理基準」、「監査における不正リスク対応基準」と同様に、日本公認会計士協会が発表する実務指針、委員会報告等を遵守しなければならない。
2010年3月期から「国際財務報告基準」の任意適用が認められたが、これに対応して、国際会計士連盟(IFAC)の国際監査・保証基準審議会(IAASB)が設定する国際監査基準(ISA)も導入された。世界的に国際監査基準に準拠する流れが強まる中、金融庁並びに国際会計士連盟(IFAC)の所属会員である日本公認会計士協会は、こうした動きを踏まえて継続的に改訂作業を進めている。