<独立>中川美雪さん(中川美雪公認会計士事務所、合同会社みらい会計研究所代表)

Q公認会計士試験合格後の略歴を教えてください

 1994年に朝日監査法人(現あずさ監査法人)大阪事務所に入所しました。数年の民間企業の監査を経てパブリックセクター部に異動し、2018年に独立するまで、公会計や自治体の監査等業務に携わってきました。その間、2度の産休・育休を取りました。また、2人目が生まれ職場復帰してすぐ公共政策大学院に入学し、働きながら公会計について研究しました。

Q現在の仕事内容について教えてください

 独立開業し、個人で自治体向けの会計アドバイザリー業務や包括外部監査の仕事をしています。全国の自治体がお客様なので、独立当初は出張が多く目が回るほどでしたが、コロナ禍でウェブ会議が主流となり、ほとんどの仕事が自宅でできるようになりました。最近では女性役員推進の追い風もあり、上場企業2社の社外取締役と学校法人の監事に就任しています。あずさ監査法人時代も含めると、パブリック分野でのキャリアがほとんどでしたが、民間企業や学校法人が加わり、視野がぐっと広がりました。

Qキャリアビジョンを教えてください。また、キャリアを実現するための課題があれば教えてください

 民間企業の仕事が増えたため、経営系の大学院に行くことを検討中です。過去、海外赴任や海外の大学院に行きたいという夢があったのですが、子育てでそれどころではなく、遅ればせながら、今からチャレンジしたいと思っています。

 また、あずさ監査法人時代からずっと携わっている公会計業務は、今や私のライフワークです。社外取締役も公会計も、年齢にかかわらず末永くできることが魅力です。

Q仕事以外で大事にしていることはありますか

 監査法人時代から、外でのつながりを大事にしてきました。公認会計士協会の活動、大学院や学会、他業種の方との交流などの人脈は大きな財産です。独立後の仕事のほとんどは、この外部のつながりからいただいています。

 地元のつながりも大事にしています。地元の和太鼓チームに所属し、地元のお祭りやイベントで演奏活動をしています。

Q子育ての大変な時期をどのように乗り切りましたか

 子育ての大変な時期と監査法人勤務が重なり、あまりにも忙しすぎて、そのころの記憶がほとんどありません。今でこそ時短家電をたくさん導入し効率化していますが、祖父母やママ友、子育てサポーターなど、使えるものはすべて使って何とか乗り切った気がします。子供は2人とも男の子で、二人でよく遊んでくれたのは幸いでした。一人っ子より2人以上の方が、子育ては楽です。

Q女性会計士へのメッセージをお願いします

 公認会計士になってしみじみ良かったなと思っています。公会計という天職に会えましたし、子育てでキャリアを中断せずにこれたのも、公認会計士という資格があったからです。また、普通の会社員では経験できないような、刺激的でチャレンジングな仕事や人との出会いがあるのは、公認会計士ならではだと思います。

 女性はライフイベントが多く、仕事との両立は大変かもしれませんが、きっと仕事を続けていてよかったと思う日が来ます。ぜひ公認会計士の仕事を楽しんで続けてください。

ページトップへ