近年、中小監査事務所による監査法人の交代案件が急増し、また、IPO監査についても中小監査事務所が受け皿となる事例が増えており、上場会社の監査の担い手としての役割がますます大きくなっています。その一方で、個々の中小監査事務所を知ることが出来る機会もまだまだ少なく、また"中小監査事務所"といってもその規模や特色も様々です。
2023年6月に中小監査事務所で活躍する先輩会計士による座談会を開催し、「監査法人選びのポイント」「中小監査事務所の特長」「現在の担当している業務」「今後のキャリアビジョン」等について語っていただきました。
本ウェブサイトでは、座談会の一部をご紹介いたします。
座談会全文は、2023年7月発行の中小監査事務所就職ガイドブックに収録されております。
2023年6月に中小監査事務所で活躍する先輩会計士による座談会を開催し、「監査法人選びのポイント」「中小監査事務所の特長」「現在の担当している業務」「今後のキャリアビジョン」等について語っていただきました。
本ウェブサイトでは、座談会の一部をご紹介いたします。
座談会全文は、2023年7月発行の中小監査事務所就職ガイドブックに収録されております。
Qご自身が監査事務所を選んだ際に重視したポイント、現在の監査事務所を選んだ理由についてお聞かせください。
私が法人選びの際に重視したポイントは2点あります。1点目は、働き方の柔軟性です。私は監査法人で働く傍ら、テニスコーチも継続していきたいという想いがあり、「兼業可」かつ「働き方の相談に乗ってくれる」法人という点をメインに法人選びを行いました。
2点目は、関与先の規模感です。会社がどのようなビジネスを行っているのかを理解した上で監査を行うことが重要であり、私はあまり大き過ぎず会社全体を見渡すことができる規模感の監査に従事したいと考えたからです。同時に、監査チーム全体を見渡すことができることも重要です。監査チームは多くても10名程度なので、他のメンバーの業務を把握することができます。監査業務を学んでいくうえで、自分の担当業務はもちろんのこと、チーム内の他のメンバーの業務についても理解することが大切であると考えていました。
2点目は、関与先の規模感です。会社がどのようなビジネスを行っているのかを理解した上で監査を行うことが重要であり、私はあまり大き過ぎず会社全体を見渡すことができる規模感の監査に従事したいと考えたからです。同時に、監査チーム全体を見渡すことができることも重要です。監査チームは多くても10名程度なので、他のメンバーの業務を把握することができます。監査業務を学んでいくうえで、自分の担当業務はもちろんのこと、チーム内の他のメンバーの業務についても理解することが大切であると考えていました。
(Mooreみらい監査法人 川添 颯)
Q中小監査事務所の特長や魅力についてお聞かせください。
私は、職階を超えたコミュニケーションがしやすいという点が、中小監査事務所の特長や魅力であると感じています。これは人によることでもあるので、一概には言えませんが、大手法人勤務ではスタッフから見てマネージャーやパートナーとの距離が遠かったように感じていたのに対し、現職では、職階を跨いだコミュニケーションが取りやすいと感じています。
仕事をするうえで上司に相談する際は、ちゃんと自分の考えを持って相談するべきなのはもちろんですが、考えすぎて仕事が止まってしまうリスクもあると思います。その点、雑談ベースでもコミュニケーションが取り易く、状況や疑問点の共有がしやすいのは中小監査事務所の大きなメリットではないでしょうか。
(監査法人A&Aパートナーズ 栗原 勇都)
Q現在の担当されている業務と仕事のやりがいについてお聞かせください。
一般的な監査チームと同様に4,5人で構成される監査チームのスタッフメンバーとして、主に飲
食業や小売業の関与先の監査業務を行っています。入所してまだ数ヶ月ですが、ほとんど毎日往査先で作業をしています。この数ヶ月の間では四半期レビューで売上原価や買掛金といった科目の調書作
成や、中間監査での詳細テスト、内部統制についてのウォークスルーなどを行いました。一人で経営者確認書と四半期レビュー報告書の受け渡しのため関与先に伺うこともあり、一年目から様々な経験をさせて頂いています。
まだ会計士としてのやりがいについて語れるほど業務に携わっていませんが、受験生時代に得た知識がそのまま活きる時や、経済の動きが企業の財務諸表に表れているのを見る時に会計士としての職業の魅力を感じています。
まだ会計士としてのやりがいについて語れるほど業務に携わっていませんが、受験生時代に得た知識がそのまま活きる時や、経済の動きが企業の財務諸表に表れているのを見る時に会計士としての職業の魅力を感じています。
(史彩監査法人 髙宮 祐太)
Q公認会計士として今後どのようなキャリアビジョンを描いていますか。
法人の雰囲気が好きで居心地がいいため、現時点ではこのままパートナーを目指すことを考えています。一方で、IPOを目指す企業に関与し、会社の状況が改善していると実感した経験から、自分も経理として数字を作る側に回って、より良い経理体制を作りたいという気持ちもあります。
これからもやりたいことが増えていくと思います。やりたいことができる法人選びが大切だと思います。
(RSM清和監査法人 荒俣 晴香)
Q最後に、これから公認会計士を目指す皆さんや、就職先を検討している合格者の皆さんに一言メッセージをお願いします。
世の中の経営者や優秀なビジネスマンは、若いうちから常にチャレンジを続け、多くの課題にぶつかりそれを乗り越えることで、大きく早く成長しています。会計士も、そういった方々と渡り合っていくために、早い段階からチャレンジをし続け最大限のスピードで成長していく必要があります。そのために、どこに入るかではなく、自分がどうしたいか、どういう風に成長したいかが大切です。
何事もそうですが、何かを始めて最初の3年間はとても大切な期間です。この3年間の成長曲線は、その後追い越すことはできないとさえ言われています。
読者の皆様には、会計士試験に合格してからの最初の3年間は、是非有意義な時間を過ごしていただければと思っております。
何事もそうですが、何かを始めて最初の3年間はとても大切な期間です。この3年間の成長曲線は、その後追い越すことはできないとさえ言われています。
読者の皆様には、会計士試験に合格してからの最初の3年間は、是非有意義な時間を過ごしていただければと思っております。
(監査法人アヴァンティア 淵江 涼)
座談会を終えて
日本公認会計士協会
常務理事 吉村 智明
座談会を終えて、中小監査事務所の若手会計士は精力的で快活な人たちが多いという印象を持ち
ました。それぞれが、自分のペースで、立ち位置を築き、しっかり目標を見据えながら生活をしてい
るからではないかと思います。
私自身も中小監査事務所出身で、現在は事務所の運営をする立場となっておりますが、昔のことを思い返してみると、入所当時から事務所に不足していることを嘆くよりも自ら動いて獲得していこうという気持ちが強く、それが自由に受け入れられる環境で成長してきたように思います。
このような環境がすべての受験生に適しているとは言えませんが、中小監査事務所の自由な雰囲気の中でのびのびと成長していく受験生が今より多く現れることを心から願っています。
私自身も中小監査事務所出身で、現在は事務所の運営をする立場となっておりますが、昔のことを思い返してみると、入所当時から事務所に不足していることを嘆くよりも自ら動いて獲得していこうという気持ちが強く、それが自由に受け入れられる環境で成長してきたように思います。
このような環境がすべての受験生に適しているとは言えませんが、中小監査事務所の自由な雰囲気の中でのびのびと成長していく受験生が今より多く現れることを心から願っています。