会長ご挨拶

国民経済の健全な発展と社会的な課題解決に貢献していきたい

日本公認会計士協会 会長 関根愛子

平素より日本公認会計士協会の会務にご理解ご支援を賜り誠にありがとうございます。

70周年を迎えて

 公認会計士法が制定されたのは1948年の7月6日であり、本年で70周年を迎えることができました。70年を顧みますと、必ずしも順風満帆とは言えず、幾多の困難もございましたが、70年という永きにわたり、公認会計士制度を維持発展できたのも、先達をはじめ、ひとえに皆様に支えられてきたからこそであると思っております。この場を借りて御礼申し上げます。

 我が国の公認会計士制度は、諸外国の制度とは異なり、監査の専門家が必要であるという要請の下で制定されました。しかし、公認会計士の活躍の場は、税務、コンサルタント、組織内会計士、社外役員など様々な分野へと広がっており、現在は、半数以上の公認会計士が監査法人以外に所属しています。そのような中で、70周年を機に、改めて公認会計士一人一人が、公認会計士法第1条に定められた「監査及び会計の専門家として、国民経済の健全な発展に寄与する」という公認会計士の使命を思い返し、社会に貢献する公認会計士として様々な場面で活躍していただきたいと考えております。

 さらに、過去を振り返るだけでなく、将来を見据えることも重要であると考えております。そこで、協会では将来ビジョンを考えるための特別委員会を設置いたしました。協会が自主規制団体として法律上与えられた職責をこれからも果たしていくのはもちろんのことですが、それだけでなく、社会的な課題解決に貢献していくことも重要であり、そのための課題及び取組の方向性について、公認会計士制度100周年を見据えた長期的なビジョンで検討していきたいと考えています。

会務における三つの柱

 さて、私が日本公認会計士協会の会長に就任してはや2年が経過しました。会長に就任した際に「公認会計士監査の信頼性向上」、「多様な領域での会計インフラへの貢献」、「人材育成・魅力向上」という三つの柱を掲げ、会務を行ってまいりました。

公認会計士監査の信頼性向上

 近年の最大のテーマである、公認会計士監査の信頼性向上に向けて、監査業務と監査事務所の透明性向上や、監査期間の確保をはじめとした監査環境の改善に関する施策に取り組んでいます。また、協会は自主規制機関として、公認会計士の指導・連絡・監督を担っておりますが、公認会計士に対する社会からの期待が高まっている昨今においては、適切な自主規制機能を発揮することに加え、適時・迅速に情報提供を行うなど、対外的な説明を充実することが求められています。自主規制制度全体を見直し、社会からもこれまで以上に納得感を得られるような形にしていきたいと考えております。

多様な領域での会計インフラへの貢献

 業務の多様化に伴い、監査以外の分野についての対応も重要であると認識をしています。税務や中小企業支援など、各地域の特性に沿った施策を実施していく必要もあり、地域会ともより一層連携を高めていきたいと考えています。さらに、企業に勤めたり、社外役員となる公認会計士も増加しており、会計や監査の専門家として、高い知見を発揮し、企業価値向上に資する公認会計士の支援を行っていきます。

人材育成・魅力向上

 このような拡大する公認会計士の役割を果たし続けていくためには、優秀な公認会計士を増やしていく必要があり、受験生の増加が不可欠です。しかし、大学生の多くは、公認会計士を「AIに取って代わられる」や、「書類のチェックなどの作業が中心で、労働時間も長い」など、必ずしも正しくない認識をもっています。監査をはじめとした公認会計士の仕事の本質は、こうした作業を評価して判断し経営者とコミュニケーションを行うことであり、AIはむしろ活用していくものであるということを、地道に説明し、公認会計士や会計、監査について、正しく知ってもらうことが重要であると考えております。

 また、協会の活動を社会にも積極的に情報発信し、適切にご理解いただくことが重要であると考え、たとえば、記者会見の定期的な実施や、アニュアル・レポートの作成に取り組み、公表しました。次年度以降は、皆様のご意見も踏まえ、より内容を充実させ、将来的には統合報告書を作成することを目指していきたいと思っております。

今後に向けて

 会長任期が残り1年となりましたが、最後まで全力で走り切り、一層公認会計士制度が発展できるよう皆様と共に尽力していきたいと思います。

 最後になりますが、引き続き、公認会計士が社会の期待に応え、10年後、20年後そしてその先の100周年へと、持続的に成長をしていくとともに、国民経済の発展や、社会的な課題解決に向けてリードする存在であり続けることができるよう進んで参りますので、関係各位の更なるご支援・ご協力をお願い申し上げます。

ページトップへ