2025年7月23日の定期総会の終了をもって、日本公認会計士協会の会長に就任した南成人です。全国約45,000人を超える会員・準会員を代表し、公認会計士が経済社会の健全な発展に貢献できるよう全力を尽くします。
協会の使命は、社会に「信頼」という価値を提供し、人々に安心を届けることで、豊かな社会の実現に寄与することです。そのために、「監査」と「社会課題の解決」の二つの視点から施策を進めていきます。
まず、監査業務の魅力を高めることが重要です。現在、監査現場では長時間労働や煩雑な手続きにより疲弊しており、若手の離職も目立ちます。監査が企業や社会に貢献していると実感できることで、やりがいや誇りが生まれます。制度改革や業務の効率化を通じて、働きやすい環境づくりを進めます。
次に、社会課題の解決に向けた取り組みです。多くの会員が地域に根差して活動しており、地域特性に応じた支援が重要です。本部と地域会が連携し、情報提供や研修、ネットワーキングの機会を通じて、会員の活動を支援します。また、サステナビリティ情報の開示と保証制度の整備にも注力し、持続可能な社会の信頼性基盤の構築を目指します。
また、これらの施策を進める上では基盤整備として、「優秀かつ多様な人材の確保と一体的能力開発の推進」、「ステークホルダー・エンゲージメントの徹底」及び「持続可能な財政基盤の確保と執行力の強化に資するガバナンス体制の見直し」を行っていきます。
少子高齢化による人材獲得競争が激化する中、優秀で多様な人材の確保と育成を推進します。その上で、試験制度や研修制度の見直しを通じて、社会に貢献できる人材の育成に取り組みます。
そして、ステークホルダーとの関係強化も重要です。官界、政界、財界、学界、マスコミ、国際機関などと継続的に対話を重ね、相互理解と信頼関係の構築を目指します。
これに加え、持続可能な財政基盤とガバナンス体制の見直しを進めます。会費の使途の透明化や財政負担の適正化を図り、効率的な会務運営を実現します。役員体制の見直しや事務局機能の強化を通じて、変化に迅速に対応できる組織づくりを目指します。
会長の任期は1期3年となります。副会長での3年間を活かしスタートダッシュで「業界変革」に取り組み、会長任期の3年で何としてでも結果を出す覚悟です。
若い世代が、夢と誇りを持って活躍できる「魅力ある業界」を実現し、これからも公認会計士が信頼の付与を通じて社会に貢献する存在であり続けられるよう、執行部一丸となって会務運営に全力を注いでまいります。
南 成人