日本公認会計士協会の事業は、会則第3条において定められています。
1. 公認会計士の遵守しなければならない職業倫理に関する規範を定め、その保持昂揚を図ること
公認会計士の使命は「公共の利益の擁護」に貢献することであり、その使命を果たすためには、職業倫理を基礎とした不断の自己研鑽が欠かせません。協会では公認会計士が遵守すべき「倫理規則」を定め、全会員に対して徹底を図っています。
2. 公認会計士業務に関する講習会又は研究会を開催する等会員の資質の向上を図る諸施策を実施すること
経済のグローバル化、IT化に伴い、会計・監査の対象が複雑化、国際化していることを踏まえ、会員の専門的な知識と実践的な技能の修得を進めています。 平成16年から、継続的専門研修制度(CPE制度)が公認会計士法で義務化されました。
3. 監査及び会計に関する研究調査を行うとともに、監査基準及び会計基準の運用普及、監査制度及び企業会計その他の会計制度の確立を図ること
- 監査基準、会計基準に従い、業務上必要な実務指針を作成する役割を委ねられています。日本公認会計士協会では監査・保証基準委員会、会計制度委員会をはじめとする各種委員会、各種プロジェクトチームを立ち上げて、それぞれの分野の理論及び実務の調査研究を行い、実務指針を委員会報告として公表し、監査・会計の実務に供しています。
- 金融庁の企業会計審議会等への参加、また、公的分野に係わる会計・監査の整備等に積極的に取り組んでいます。
- 国際会計士連盟(International Federation of Accountants:IFAC)の創設以来、理事会にメンバーを出しており、またIFACの国際監査・保証基準審議会(International Auditing and Assurance Standards Board:IAASB)他、国際機関の各種委員会にもメンバーを出しており、国際的にも活発に活動しています。2005年5月から2年間、藤沼日本公認会計士協会前会長がIFACの会長を務めました。さらに、IFACの地域機構であるアジア・太平洋会計士連盟(Confederation of Asian and Pacific Accountants:CAPA)の執行委員会にもメンバーを出しており、2005年11月から2007年10月まで、CAPA会長は、山崎日本公認会計士協会副会長が務めました。また、国際財務報告基準を作成する国際会計基準審議会(International Accounting Standards Board:IASB)にも創立以来、理事会にメンバーを送っており、いくつかのワーキング・グループにも参加しています。
4. 公認会計士制度及び公認会計士の業務(租税に関するもの含む。)について調査研究を行い、必要に応じ、官公署に建議し、又はその諮問に応ずること
自主規制団体として、公認会計士制度の健全な運用を図り、資本市場の信頼性確保のため、公認会計士の独占業務である公認会計士監査の充実・強化を図る諸施策について調査研究し、必要に応じ、官公署に意見を提出しています。
また、金融庁等の審議会及び研究会に参画して、日本の会計制度、監査制度、ディスクロージャー制度の発展に協力しています。
5. 会員の監査業務の適正な運用に資する諸施策を講ずること
自主規制団体としての施策
会員の資質を常に高く保つ自主規制団体として会員に対してさまざまな指導、教育を行っています。特に公認会計士監査に対する信頼性が揺らぐ会計不祥事が相次いだことを踏まえ、日本公認会計士協会として品質管理レビューや監査業務に対する審査機構の充実強化、倫理規定の整備など指導監督機能をより一層発揮するよう取り組んでいます。
6. 公認会計士の業務に関し、会員の相談に応じ、資料を提供する等会員に対し必要な援助を行うこと
会員の相談に応じるため、各種相談窓口を設置し運営するほか、会員向けのデータベースを運営しています。
また、協会が公表した委員会報告等実務に供する資料を協会ウェブサイト、協会機関誌「会計・監査ジャーナル」に掲載し、周知徹底を図っています。
- 会員への相談窓口(事務局に審査・倫理・相談課を設置)
- 租税相談室
- 法務相談室
- 図書資料室
- 会員向けデータベース
7. 会員の業務に関する紛議につき、調停を行なうこと
会規第61条に基づいて紛議調停委員会を設けています。
8. 公認会計士試験に合格した者の指導教育に関し必要な施策を講ずること
公認会計士試験に合格したものは、公認会計士法において、「業務補助等」と「実務補習」を受けなければなりません。
業務補助等
業務補助
監査証明業務に関して、公認会計士又は監査法人を補助すること。
実務従事
財務に関する調査、分析その他の実務において、政令で定めるものに従事すること。
実務補習
内閣総理大臣によって認定された機関(「実務補習団体等」)によって、公認会計士としての必要な技能を修習させることを目的としています。具体的な実務補習団体として、認定を受けています。
- ※実務補習教育の実施は、日本公認会計士協会が主体となって設立した、一般財団法人会計教育研修機構に移管しております。
9. 公認会計士、会計士補及び外国公認会計士の登録に関する事務を行なうこと
公認会計士の名称を用いて公認会計士の業務を行うためには、協会に登録しなければなりません。その登録事務は、協会の会員登録グループが行っています。