お知らせ

監査報告に関する動向~監査上の主要な事項(Key Audit Matters)~

2016年08月05日

  本ページでは、監査上の主要な事項(Key Audit Matters :KAM)に関連した、我が国や諸外国における動向等の参考情報を提供いたします。

1.我が国における現在の動向

  平成28年3月に公表された「会計監査の在り方に関する懇談会」提言において、株主等に対する会計監査の内容等に関する情報提供を充実させる観点から検討を進めるべき、とされたことを踏まえ、平成28年9月から、関係者(日本経済団体連合会、日本監査役協会、日本証券アナリスト協会、金融庁、日本公認会計士協会)による意見交換を行い、その取りまとめの文書が公表されております。その後、平成29年10月17日の企業会計審議会監査部会からKAMの導入に関して本格的に議論が開始されております。

 

  日本公認会計士協会では、KAMを周知すべく様々な活動を行っております。今までに開催したフォーラムにおいて配付した監査報告に関する資料等の一部や、会計・監査ジャーナルに寄稿いただいた監査報告に関する記事等を以下に掲載いたします。

2017年7月27日グローバル会計・監査フォーラム「監査及び監査法人の透明性の向上と監査品質」

  • jicpanews-20171212_1.jpg

 

本フォーラムの報告記は『会計・監査ジャーナル』2017年11月号に掲載しています。今後、本ページにも掲載予定です。

2017年3月23日グローバル会計・監査フォーラム「公認会計士監査の変革のとき ~品質による競争の時代へ~」

  • jicpanews-20171212_2.jpg

2015年10月7日シンポジウム「監査品質及び透明性の向上に向けて-IAASB議長をお迎えして-」

会計・監査ジャーナル記事

2.諸外国における動向

(1) 国際監査・保証基準審議会

① 国際監査基準(ISA)

  国際会計士連盟(International Federation of Accountants:IFAC)の国際監査・保証基準審議会(International Auditing and Assurance Standards Board:IAASB)は、2009年から監査報告書プロジェクトを開始し、2回のコンサルテーション・ペーパー及び基準の公開草案の公表を経て、2015年1月に以下の国際監査基準が公表されました。新設されたISA701では、上場会社の一般目的の財務諸表に対する監査報告書においてKAMを報告することが新たに要求されています。

● ISA701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な事項のコミュニケーション」

● ISA700(改正)「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」

● ISA705(改正)「独立監査人の監査報告書における除外事項付意見」

● ISA706(改正)「独立監査人の監査報告書における強調事項区分とその他の事項区分」

● ISA570(改正)「継続企業」

● ISA260(改正)「統治責任者とのコミュニケーション」

● その他の適合修正

原文はこちら

仮訳

ISA701【2017年12月27日更新】

 

  また、IAASBは、上記のプロジェクトと並行してISA720の改正プロジェクトを進め、2015年4月にISA720(改正)「その他の記載内容に関連する監査人の責任」を公表しました。

原文はこちら

 

● 『会計・監査ジャーナル』における解説

・ 「国際監査・保証基準審議会(IAASB)による監査報告書の改訂等」前・国際監査・保証基準審議会メンバー 関口智和(2015年3月号)

・ 「アーノルド・シルダー議長に訊くIAASBの最新動向」日本公認会計士協会常務理事 住田清芽(2014年8月号)

 

② Guidance & Support Tools(※)

監査報告に係る新基準への対応のため、IAASBから以下のGuidance & Support Toolsが公表されており、日本公認会計士協会においてその仮訳を作成しております。

(※)IAASBによる規範性のある公表物ではなく、また、国際監査基準を修正したり、それに優先するものではありません。

● 「監査報告-監査上の主要な事項」(原題“Auditor Reporting-Key Audit Matters”(2015年1月30日公表))

仮訳【2017年12月27日更新】

・ 原文はこちら

 

● 「監査報告-監査上の主要な事項の文例」(原題“Auditor Reporting-Illustrative Key Audit Matters”(2015年4月22日公表))

仮訳【2017年12月27日更新】

・ 原文はこちら

 

● 「監査報告Q&A」(原題“The New Auditor’s Report: Questions and Answers”(2016年11月30日公表))

仮訳【2017年12月27日更新】

・ 原文はこちら

 

● 「より情報価値のある監査報告書-監査委員会と財務担当役員が知っておくべき事項」(原題“More Informative Auditor’s Reports-What Audit Committees and Finance Executives Need to Know”(2016年3月9日公表))

仮訳【2017年12月27日更新】

・ 原文はこちら

 

● 「継続企業に関する監査報告」(原題“Auditor Reporting on Going Concern”(2015年1月30日公表))

仮訳【2017年12月27日更新】

・ 原文はこちら

参考資料(IAASB ISA570R 監査報告書文例)

 

● 概要「ISA720(改訂)その他の記載内容に関連する監査人の責任」(原題“At a Glance:ISA 720 (Revised), The Auditor’s Responsibilities Relating to Other Information”(2015年4月8日公表)) 

仮訳【2017年12月27日更新】

・ 原文はこちら

 

  なお、IAASBの監査報告に関する特設ページにおいて、上記に掲載したISAの新基準やGuidance & Support Toolsのみならず、様々な資料が公開されています。

  また、こちらのページの下部(IFACウェブサイト)において、KAMの領域別に諸外国企業のAnnual Reportのリンクが掲載されており、監査報告書に記載されたKAMの実例をご覧いただけますので、併せてご参考にしてください。

 

(2) 米国

  2007年米国財務省において「監査職業専門家に関する諮問委員会」が設置され、2008年に同委員会からの報告書を受け、米国公開企業会計監視委員会(Public Company Accounting Oversight Board:PCAOB)は、2010年から監査報告書プロジェクトを開始しました。その後、コンサルテーション・ペーパー及び2度の監査基準の公開草案の公表を経て、2017年6月1日、監査上の重要な事項(Critical Audit Matters:CAM)に関する記述を追加した監査基準(AS)3101「無限定適正意見の監査報告書」を採択いたしました。同年10月23日には米国証券取引委員会(SEC)が当該基準を承認しております。本基準の適用時期は、CAMについては、大規模早期提出会社の監査においては2019年6月30日以降終了事業年度の監査から、それ以外のSEC登録会社の監査においては2020年12月15日以降終了事業年度の監査から適用されます。また、CAM以外の改訂については2017年12月15日以降終了事業年度の監査から適用されます。

 

  原文はこちら

 

● 『会計・監査ジャーナル』における解説

・ 最終版の解説は『会計・監査ジャーナル』2017年9月号に掲載しています。今後、本ページにも掲載予定です。

・ 「米国公開企業会計監視委員会再公開草案「無限定適正意見の監査報告書」①」日本公認会計士協会研究員 甲斐幸子(2016年8月号)

・ 「米国公開企業会計監視委員会再公開草案「無限定適正意見の監査報告書」②」日本公認会計士協会研究員 甲斐幸子(2016年9月号)

・ 「米国公開企業会計監視委員会公開草案「無限定適正意見の監査報告書」及び「監査した財務諸表及び監査報告書が含まれる特定の開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任」」日本公認会計士協会研究員 甲斐幸子(2013年11月号)

・ 「監査報告に関する国際動向① 米国における監査報告書に係る検討について」公認会計士 山本雄一(2014年12月号)

 

(3) 英国

  2008年金融危機発生以前から監査報告書の利用者の情報ニーズを満たすための方策についての議論や提言が行われておりましたが、金融危機をきっかけに英国でも様々な改革が行われました。その一環として、財務報告評議会(Financial Reporting Council:FRC)は、2011年に監査報告書の記載を拡大すること等の内容を含めたディスカッション・ペーパーを公表し、2012年から2014年の3回にわたり、監査報告に関する監査基準の改訂を行っています。特に、2013年の監査基準の改訂において長文化した監査報告書の制度を導入し、2012年10月1日以降開始事業年度の監査から適用されております。

 

  原文はこちら(2016年改訂版ISA(UK&I))

 

  また、FRCは、長文化した監査報告書の制度適用後の調査報告書を公表しております。

“Extended auditor's reports: A further review of experience” (Jan 2016)

“Extended auditor's reports: A review of experience in the first year” (March 2015)

 

● 『会計・監査ジャーナル』における解説

 

(4) その他

  その他の諸外国においても長文化した監査報告書の導入が始まっており、そのうち、以下の国々において、適用後の調査報告書を公表しております。

・ マレーシア

“A review of first-year implementation experience in Malaysia” (Jan.2018)

・ ニュージーランド

“Key audit matters – A stock take of the first year in New Zealand” (Nov.2017)

・ 香港

“First year review of revised auditor's reports” (Oct.2017)

・ シンガポール

“Embracing Transparency, Enhancing Value – A First Year Review of the Enhanced Auditor’s Report in Singapore” (Oct.2017)

(2018年4月16日更新)

ページトップへ