国際会計士倫理基準審議会(IESBA)スタッフ文書「監査報酬切下げプレッシャーの局面における監査報酬の決定に関する倫理的考慮事項」の公表について
国際会計士連盟(International Federation of Accountants:IFAC)の国際会計士倫理基準審議会(International Ethics Standards Board for Accountants:IESBA)(※1)から、スタッフ文書(※2)「監査報酬切下げプレッシャーの局面における監査報酬の決定に関する倫理的考慮事項」(原題:Ethical Considerations Relating to Audit Fee Setting in the Context of Downward Fee Pressure)が2016年1月6日付けで公表されました。
本スタッフ文書は、証券監督者国際機構(IOSCO)等の市場関係者から、低廉報酬等を含む監査報酬に関する問題が監査人の独立性や監査品質に悪影響を及ぼしているのではないかとの懸念が提起されたことを受けて公表されたものであり、監査人が、監査報酬を決定するに当たり、報酬切下げのプレッシャーを受けている状況下において検討すべき倫理的な事項について取りまとめたものです。本文書では、監査人に対する主要なメッセージとして、次のとおり述べています。
・監査人は、監査報酬の水準にかかわらず、高品質な監査を実施すべきである。
・適用される会計及び監査等の職業会計士に求められる基準に準拠して監査が実施されるよう、十分な監査時間を計画し、十分に時間をかけて監査すべきである。
・監査業務の内容、規模及び複雑さに合わせ、十分な専門性及び経験を有する監査要員を確保すべきである。
・監査報酬に関しては、財務的観点から監査人の倫理的義務の遵守に対する阻害要因を生じさせないことを確実にするために、利害関係者(統治責任者、経営者、規制当局及び監査監督機関並びに投資家)も重要な役割を担っている。監査人と統治責任者との相互コミュニケーションは特に有用である。
なお、本スタッフ文書の仮訳を作成いたしましたので、あわせて公表いたします。原文につきましては、以下のIFACウェブサイト(英文サイト)をご覧ください。
※1:IESBAのボードメンバーは、会計士のほか、学者や弁護士等によって構成されている。
※2:本スタッフ文書は、IESBAのスタッフによって作成されたものであり、IESBA倫理規程を修正又は拡大したり、優先したりするものではない。
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- スタッフ文書の仮訳(PDF・7P・551.8KB)
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