研究公募の選定結果
2023年12月05日
日本公認会計士協会
2023 年3 月に公募した「研究公募~公認会計士へのアクセス~」に関して、厳正なる審査の結果、以下の研究が採択されましたので、お知らせいたします。
応募いただいた研究者の方々に深く感謝申し上げます。
研究題目: 監査人のモチベーションとその向上に寄与しうる関係性ニーズに関する研究
研究者:(代表者)亀岡恵理子(東北大学大学院経済学研究科准教授)
Kathryn Kadous (Professor, Goizueta Business School at Emory University)
Kyle Broderick (Ph.D. Candidate, Goizueta Business School at Emory University)
【研究の概略】
若手監査人のモチベーションをどのように高めたらよいか。本研究は、モチベーション理論の1 つである自己決定理論に依拠し、人が普遍的にもつ心理的欲求のうち関係性ニーズに着目して、関係性ニーズおよびそれをサポートする2 種類の介入(事務所レベルおよび個人レベル)が監査パフォーマンスに及ぼす影響を明らかにしようとする実験研究である。
【公募の状況】
公募開始:2023 年3 月13 日
応募期限:2023 年5 月15 日
応募件数:2件
【選定結果の総括】
公認会計士数は着実に増加しているものの、監査法人からの離職者も多く、公認会計士全体に占める監査法人所属者の割合は年々低下し、40%を下回る状況である。特に近年は離職する時期が早まっており、監査人材の確保が喫緊の課題となっている。採択された研究は、このような状況に象徴される若手監査人のモチベーションの低下とそれが監査品質の低下を引き起こしかねないという、監査プロフェッションが今日直面している重大な課題を取り上げた意欲的な研究であり、実務的意義は大きい。また、研究の理論的背景の適切性及び研究計画の具体性、実験ケースの完成度を含めた準備状況が高く評価された。
なお、研究代表者である亀岡氏は昨年度の公募において、「監査人のキャリア形成と監査品質に関する研究」が採択され、当協会として支援を実施したところであり、2 年連続で同一研究者の提案を採択することについて選定委員会において議論となったが、公募要領において、昨年度の採択者の応募制限をしていないことから、公募要領に定めた採択基準に従って審査を行うこととし、その結果、標記の研究の採択に至った。
当協会としては、翌年以降において、より幅広い研究者からの応募を頂くことが重要と考えており、募集要項の変更や広報活動を強化していくことを検討している。
以 上