グローバル・アカウンティング・アライアンス(GAA)から発出される生物多様性に関する共同声明について
このたび、グローバル・アカウンティング・アライアンス(GAA)(※1)に加盟している会計専門家団体が連名で、自然危機に対する行動を呼び掛ける声明文「自然危機に対する行動の呼び掛け(A call to action in response to the nature crisis)」を発出いたしました。本声明文には、当協会も署名しております。
2022年1月に公表された世界経済フォーラムの「グローバルリスク報告書2022」では、今後10年で起こるグローバルリスクのトップ3の1つとして「生物多様性の喪失」が報告されており、生物多様性の保全は気候変動と同様に重大な課題となっています。また、気候変動と自然・生物多様性の損失は相互に関係しており、組織がネットゼロの達成を含む気候変動に関するリテラシーを構築する上で、自然の危機にも目を向ける必要があります。今回の声明文は、2022年4月~5月に開催される国連生物多様性条約(CBD)第15回締結国会議(COP15)第2部に先立ち、会計士及び会計専門家団体が生物多様性の分野において貢献していくことを表明するものです。
- GAAに加盟している各会計専門家団体は、世界180カ国以上の1,400,000人を超える会員を代表し、会計専門家に対し、天然資源を保護し、回復させ、持続可能な形で利用できるようにすべく、所属組織及びクライアントへの支援を通じて自然損失のプロセスを反転させるため行動するよう呼び掛けます。
- 本声明文では、「所属組織やそのクライアントがいかに自然に影響を及ぼし、自然に依存しているか理解する」など会計専門家が取るべき行動が6つにまとめられており、会計専門家が自然にプラスの影響を与えることができるような健全な助言やサービスを提供が可能であることが示されています。
- 本声明文では、GAAに加盟している各会計専門家団体として貢献すべきこととして、会員の自然損失に関する知識・理解・意識を高め、会員が意思決定や情報開示において自然を尊重し、自然を組み込むようトレーニングやサポート及びインフラの提供に尽力すること、自然・人的資本・気候を企業報告に統合する国際的に認められた開示の枠組みとグローバルな規制を整合させるべく支援することが記されています。
声明文(原文・日本語訳)は以下からご覧ください。
原 文 「A call to action in response to the nature crisis」
日本語訳「自然危機に対する行動の呼び掛け」
公認会計士は、気候変動や自然損失に関連する経済的リスクへの対応、そして持続可能な社会の実現において重要な役割を担っています。当協会も会計専門家団体として持続可能な社会の実現に向けた取組を積極的に行うとともに、公認会計士による貢献を支援する取組を進めていきたいと考えます。
(※1)グローバル・アカウンティング・アライアンス(GAA)
2005年11月に設立された、主要な資本市場を擁する国の会計士団体による連合体である。設立の目的は、高品質なサービスの提供の促進、重要な国際問題に関する情報の共有及び協働を通じて会計専門職の発展をリードし、公共の利益に貢献することである。また、GAAは、加盟団体の協働を通じて、各国規制当局、政府及びIFAC等の国際的なステークホルダーと協力・連携を図るとしている。詳細はウェブサイトをご参照ください。