「国際統合報告フレームワーク(International Integrated Reporting Framework)」発行のお知らせ
国際統合報告評議会(International Integrated Reporting Council、以下「IIRC」という。)は、2013年12月9日、国際統合報告フレームワークを発行しました(http://www.theiirc.org/international-ir-framework/)。
本フレームワークは、そのコンサルテーション・ドラフト公表(2013年4月16日)後、3か月のコンサルテーション期間(2013年7月15日締め切り)に提出された350を超えるコメントを吟味し、必要な改訂をして最終化されたものです。提出された主なコメントの概要、論点、それに対する対応は、フレームワークと同時に公表されたBasis for Conclusions(結論の基礎)及びSummary of Significant Issues(重要な論点の要約)にまとめられています。
本フレームワークは、グローバルな金融・経済の安定化と持続可能な発展に寄与することを目的に、2010年のIIRC設立以来、3年余りの期間をかけ、企業、投資家、公認会計士、証券取引所関係者、有識者といった様々なステークホルダーが参画する形で開発されました。フレームワークでは、統合報告とは、企業による長期的な価値創造に焦点を当てたものとして位置づけられ、その価値創造の源泉として多様な資本に着目しています。そして、それによって、投資家をはじめとする財務資本提供者が利用する情報の質を向上させ、より効率的かつ生産的な資源配分を目指すものです。また、統合報告は、組織内の「縦割り」や「重複」を解消し、報告プロセスの一元化と効率化を進める「統合的思考」に焦点を当てた基本概念と原則を採用しています。
日本公認会計士協会は、IIRC設立時より、ワーキンググループ及びテクニカル・タスクフォースへの参加、2012年11月のIIRC東京会議の開催、IIRC関係者と国内関係者間の知見共有を目的としたラウンドテーブルやセミナー開催、コンサルテーション・ドラフト等への意見提出等の形で、フレームワーク開発に参画して参りました。今回の国際統合報告フレームワークの公表は、企業報告の発展に向けた重要な一歩であると認識しています。
IIRCでは本フレームワーク公表を受け、今後実務的なガイダンスの開発や報告基準設定者間の協議を目的としたプラットフォーム設定等、様々な活動を予定しています。日本公認会計士協会は、今回公表されたフレームワークのより良い理解に向けた情報共有を進めていくとともに、今後の国内外の議論において、企業報告の更なる発展に向けて検討を継続していきます。
IIRC公表文書
◆ 国際統合報告(<IR>)フレームワーク
http://www.theiirc.org/international-ir-framework/
◆ Basis for Conclusions
http://www.theiirc.org/wp-content/uploads/2013/12/13-12-08-Basis-for-conclusions-IR.pdf
◆ Summary of Significant Issue
http://www.theiirc.org/wp-content/uploads/2013/12/13-12-08-Summary-of-significant-issues-IR.pdf