組織内会計士とは
「組織内会計士」とは、日本公認会計士協会の会員及び準会員のうち会社その他の法人(監査法人、税理士法人及びネットワークファームに該当する法人を除く。)又は行政機関に雇用され、又はその業務に従事している者(役員(※)に就任している者を含む。)をいいます。
- ※【役員】からは、株式会社の社外取締役及び社外監査役、並びに投資法人の監督役員を除く。
組織内会計士の主な活躍場所
近年の会計は高度化・複雑化しており,会計のプロフェッショナルである公認会計士が社内にいるメリットが大きいため、多くの企業で組織内会計士が活躍しております。
1.上場企業CFO
近年の会計の高度化・複雑化、ガバナンス強化の流れから、組織内会計士がCFOとして活躍している上場企業は100社弱に上ります。
CFOが組織内会計士の上場企業は、ガバナンス面、業績管理等で安心感があり、市場からの評価も高い傾向にあります。
2.経理部門
新しい会計処理の検討や,有価証券報告書などの開示書類の作成に精通した組織内会計士は,経理部門の現場において実に頼りになる存在です。
ここ数年導入の議論が高まっているIFRS導入の現場も,組織内会計士が活躍している企業が多くなっております。
3.ベンチャー企業のCFO
ベンチャー企業の役員を務めるCFO型組織内会計士がここ数年急増しております。
一般的に,急成長のベンチャー企業は管理部門に優秀な人材が少なく、日々の管理業務はなんとか回っていても,資本政策の策定や経営計画の策定となるとなかなか人材がおりませんが、組織内会計士をCFOとして登用し,上場前の資本政策から,IPO準備,そして上場審査までと幅広い活躍をしております。
4.IR部門
数字を説明する能力を買われて,IR部門で活躍する事例も多いです。
数字を立体的に理解できる能力が高い組織内会計士のIR担当者は,アナリストからも,個人投資家からも高く評価されております。
5.経営企画部門
巧みな経営管理能力を生かし経営企画部門で、予算管理だけでなく、M&Aや社長特命の業務までもこなしております。
数字に強いだけでなく,過去に多くのクライアントと渡り合ってきたディスカッション能力を発揮し,経営上のリスクを探り当てながら,企業価値拡大に邁進しております。
6.監査役
監査役は、近年のガバナンス強化の流れで公認会計士の登用が増えております。
特に、ダイバシティ問題から特に女性の公認会計士の監査役が増えております。
企業は公認会計士の監査経験を活かしたガバナンスの強化が図れ、働く女性も勤務時間が比較的読みやすいため育児等との両立が可能になり、両者ともにメリットが得られております。
7.事業家として
さらに高い経営能力を活かして,自ら事業を始める者も出ております。
リゾートトラスト、OBC、ストライクといった企業は、公認会計士自らが創業し、上場したその後も事業を拡大し続けております。
地域の組織内会計士の活躍
組織内会計士は全国の様々な地域でも活躍をしております。
組織内会計士の会計士協会登録のメリット
組織内会計士が各組織内で活躍するための様々な支援体制を利用することができます。組織内会計士研修会を開催しており、組織内会計士の実務で必要な知識やスキルを体系的にアップデートすることが可能となります。組織内会計士交流会を開催しており、交流会に参加することで、組織内会計士のネットワーキング構築が可能となります。
組織内会計士向けアンケート結果
上場会社の役員と公認会計士に関する実態調査」(最終報告)の公表について
平成23年2月に実施した「組織(企業)内の会計専門家に関するアンケート調査」に引き続き、平成24年10月に東京証券取引所及び大阪証券取引所の協力を得て、「上場会社の役員と公認会計士に関する実態調査」を実施しました。
「実態調査」に寄せられた回答を詳細に分析し「上場会社の役員と公認会計士に関する実態調査」(最終報告)としてとりまとめ、平成25年3月22日付で公表しています。
組織(企業)内会計士に関するアンケート最終報告の公表について
平成23年2月に東京証券取引所及び大阪証券取引所の協力を得て、「組織(企業)内会計士に関するアンケート」を実施し、「上場企業」「組織内会計士」「監査法人等所属者」ごとの実態調査を行いました。
このアンケート調査結果を踏まえて、我が国おける組織内会計士の育成と活用に関する観点から当協会、監査法人等、経済界、金融庁等における課題を取りまとめ、平成23年8月3日付けで「組織(企業)内会計士に関するアンケート最終報報告書」を公表しています。
組織内会計士向け諸手続き
監査法人を退職する会計士の方向けに有用な情報をピックアップしてまとめました。少しでも皆様のお役に立つものとしてご利用いただければ幸いです。