日本公認会計士協会

IASBが概念フレームワークを改善する公開草案を公表

2015年06月02日
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  2015年5月28日、IASBは、「財務報告に関する概念フレームワーク」を改善する公開草案を公表した。本概念フレームワークは、IFRSの基礎であり、IASBが世界の金融市場に透明性、説明責任及び効率性をもたらす基準を開発するうえで役立つものである。

  本公開草案では、概念フレームワークに関して、以下を含む複数の改善を提案している。

・ 適切な測定基礎(歴史的原価、及び公正価値を含む現在価額)及び測定基礎を選択する際に考慮する要素について説明する、測定に関する新しい章

・ 損益計算書は企業業績の主たる情報源であることを確認し、収益と費用を損益計算書外の「その他の包括利益(OCI)」で報告することができる場合のガイダンスを追加

・ 財務諸表の基本構成要素である資産、負債、持分、収益、費用の定義を改良

  IASBの作業の影響を受ける関係者からのフィードバックを受けて、IASBは、投資家が経営者の受託責任を評価するために必要な情報の重要性をより重視すること、また、「慎重性」の意味を明瞭に説明して、再び明確に言及することを提案している。

 

  当公開草案は、現行の概念フレームワークでカバーされていなかった、もしくは充分に詳細でなかった以下の分野を扱っている。

  1. i. 測定
  2. ii. 財務業績(その他の包括利益の使用を含む)
  3. iii. 表示と開示
  4. iv. 認識の中止
  5. v. 報告企業

  また、現行概念フレームワークのいくつかの点を明確にしている。例えば、

  1. i. 財務報告の目的を満たすために必要な情報は、企業の資源に関する経営者の受託責任を評価するのに役立つ情報が含まれることを明確化
  2. ii. 財務報告における慎重性及び実質優先の役割について説明
  3. iii. 高レベルの測定の不確実性は、財務情報の目的適合性を低下し得ることを明確化
  4. iv. 重要な決定について明確化 例えば、認識及び測定は、財務業績及び財政状態の両方に関する情報結果の性質を考慮して決定される
  5. v. 資産と負債のより明確な定義を提示し、その定義をサポートするガイダンスを追加

  さらに、現行の概念フレームワークで執行している部分をアップデート。例えば、資産と負債の定義における可能性(probability)の役割について明確にしている。

  コメント期限は2015年10月26日である。

 

  詳細は、IASBウェブサイトをご参照ください。

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